奄美市で議会議員研修会

奄美市役所であった議員研修会。奄美市と龍郷町の全議員が参加し、議会活性化などについて学んだ

住民との距離縮める努力を

 奄美群島市町村議会議員研修会が14日、奄美市役所会議室であった。議会改革の促進や議員の資質向上などを目的に奄美市議会の主催で、周辺の地方議会にも呼び掛け開催し、同市と龍郷町の議員全34人と議会事務局職員らが参加。講演を通して市民参加の促進や議会、議員の政策立案などに関する知識を深め、住民代表としての意識を新たにした。

 同市議会では現在ワーキンググループなど組織し、議会活性化の取り組みを進めるなか、講師として昨年に続き議会全国市議会議長会・調査広報部副部長の本橋謙治氏を招へい。議会改革・活性化を進めていく上での助言を求めた。

 本橋氏は冒頭、「近年、住民から議会への批判的な意見も増えている中で、議会として何らかの形で答えを示していかなければならないが、その一つに市民参加の促進がある」と説明。「議会での議決など意思決定過程の中でどう住民を関与させるか。物理的・精神的な両面で議会と住民の距離を縮める努力が(議会の側に)必要」と語り、請願者・陳情者の意見陳述の際や、議会報告会の際の議会側の心得、具体的な取り組みの事例なども紹介した。

 議会報告会に関しては、「住民との対話を通して新たな行政課題の掘り起こしにつながり、一般質問・政策立案等におけるネタ探しになる」とその重要性を強調。しかし全国的な現状として参加する住民の顔ぶれが固定していたり、参加者が少ない。また会が一部の参加者による独演会の様相を呈することがあるなど、議会サイドが思い描く、「大勢の参加者の声の拾い上げ」や、「住民との建設的な意見交換」が出来ていないなどの課題も指摘した。

 こうした議会報告会の閉塞感を打破する手法として、小グループによるワークショップ形式での開催や、その地域独自の行政課題など事前にテーマを決めた上での意見交換など、一つのアイデアとして提案した。

 また議会からの政策提案に関しては「執行機関にない情報や考え方を持たなければならない」と述べ、そのために委員会による積極的な調査活動なども促した。

 このほか議員間討議や反問権の具体的な活用の仕方と、その際の留意点。公社等に対する議会の監視権の行使、さらには議会選出の監査委員や議員年金など今後の議会・議員に関する制度改正の最新情勢なども学んだ。

 なお大島本島南部議員大会と日程が重なり、大和、宇検、瀬戸内の議員は参加しなかった。