「アメリカハマグルマ」などの駆除作業を試行した徳之島自然保護対策協関係者=15日、天城町当部
【徳之島】徳之島地区自然保護協議会(松村博光会長)のメンバーら関係者は15日午前、世界自然遺産登録への核心地域に近い天城町当部=とうべ=の「美名田山林道」沿いで緊急対策外来種の「アメリカハマグルマ」と、重点対策外来種「ギンネム」の駆除作業を試行。生物多様性を守る啓発活動と併せ、島内集落・地域ぐるみ活動の必要性を強調した。
「アメリカハマグルマ」はキク科の多年性植物。年間を通じ草体の繁殖力が極めて強く、在来植物を上から覆って光が当たらなくして枯らすなど大きな影響を与えている。「ギンネム」はマメ科ネムノキ亜科(常緑の低木~中高木)。「世界の侵略的外来種ワースト100」の1つ。同様に絶滅危惧種を含む在来種との競合、駆逐が危惧される。徳之島では近年海岸部から森林地域へと侵入、拡大傾向が顕著化している。
駆除作業試行には自然保護協メンバーや環境省徳之島自然保護官事務所、町行政など関係者ら11人が参加。約2時間、「美名田山」(438㍍)麓の林道沿いに繁茂していたアメリカハマグルマを、根茎ごと丹念に引き抜き、ゴミ袋18個分を回収。ギンネムは、天城町が昨年伐採処理後に再び芽吹かせた根株の幹に、枯死させるための除草剤を塗布するなどした。
松村会長(70)は「ネコ対策など希少野生動物の保護対策はいろいろなされているが、外来植物には一般的に関心が薄い。目の届かない所でいつの間にか繁茂エリアを広げており、イヌ・ネコの問題よりも難しいと思う。まずは我々メンバーが外来植物種を知った上で(本格的な)駆除活動を進めることが大事」。駆除試行を基に、今後は「各地域・集落を巻き込んで重点的にやっていく必要がある」と話した。