奄美への思いを込めるように熱唱する我那覇美奈さん(左)と、軽快にリズムを添えるスティーブ・エトウさん(右)
段ボールを巧みに操り我那覇さん(右奥)の曲を引き立てるスティーブ・エトウさん(右)
【東京】奄美の新情報発信地、東京・中野区新井の「奄美ふくらしゃ」でこのほど、シンガー・ソングライターの我那覇美奈さんと、パーカッショニスト・スティーヴ・エトウさんによるライブ、「Dear どぅしでぃや!INふくらしゃ」が開かれた。参加した人たちは「奄美のサウンドと奄美の味わい」を堪能していた。
オーナーの岩倉悦雄さんが「たいした告知もしていないのに、よく集まった」と話したように、3週間ほど前に決まったライブは、店のフェースブックなどから情報を得た人たちで、30席はほどなく完売。中には名古屋から夜行バスで、小笠原の父島からも熱心なファンが駆け付けた。
開始予定より1時間も早くから席が埋まり始め、二人がそろうのを「ふくらしゃ」で作られた、奄美カレーなどを食べながら待つ姿も見られた。やがて、二人はデビューのエピソードなど、楽しいトークを展開。今年20周年を迎える名瀬のライブハウスに思いをはせ「アシビの20周年と、僕の60歳を記念してライブしなければ…」と、スティーブさんが話せば、我那覇さんも「私もデビュー20周年、一緒にライブしましょう」と応えるなど、同所で初と思えないほどのリラックスした表情で、参加者を笑顔にしていた。
ライブでは、「月の雫」「希望のつぼみ」などのほか、アコースティックでのシマ唄(行きゅんにゃ加那)も披露、大きな拍手を浴びていた。伸びやかで澄んだ声と、段ボールを駆使したリズムが見事に調和、ライブ空間を演出した。
「Dear どぅしでぃや!」は、同士を敬う意味で、もともと我那覇さんの持っていたラジオのコーナー名。二人のライブも都合10回近く続いている。一方スティーブさんは、現在奈良県に活動拠点を構え、我那覇さんと牧岡奈美さん、城南海さんによるユニット「みなみなみなみ」の名付け親としても知られている。我那覇さんは今後、中外製薬の疾患啓発ムービーソング「With A wish」を引っさげて、各地のイベントなどでも歌う予定だ。