徳之島に新名所

満開状態のヒカンザクラが約140本。花見の新名所となった桜並木と児島さん(円内)=16日、徳之島町母間

140本のヒカンザクラ満開
児島さん孤軍奮闘 徳之島町母間

 【徳之島】徳之島町母間の理容業・児島静男さん(84)が、約17年前から農道沿いに植えてきたヒカンザクラは現在約150本。今や島内最大規模の桜並木道の新名所になりつつある。満開状態となった数日前からは、町内外から花見客が押し寄せてその規模にも感動。静かなブームを呼んでいる。

 場所は、同町母間(大当集落)の県道「母間新港」入口交差点を山手(西)方向に約120㍍。桜並木道の起点は、元ゲートボール場園地や「福川」(県2級河川)の親水型砂防ダム関連施設付近。農道両サイドに満開状態のヒカンザクラ並木の一部が一望できる。そして今が見ごろの〝フラワーロード〟の総延長は約400㍍前後続く。

 植栽のきっかけは、60代の時に走ったランニング桜島大会や花の島沖えらぶジョギング大会(各6回)、沖縄大会(1回)への出場。「各会場ともにきれいな花々に包まれていた。わが島との違いに刺激を受けた」ことだった。

 近隣地主たちの理解も得て2000年ごろから畦畔=けいはん=部にコツコツと定植した。後半に植えた苗木の約半分は、ヒヨドリがサクランボを食べて排泄した種が芽吹いた実生苗を採取・育苗して自家調達。ヒカンザクラの苗は知人らにも提供するなど花いっぱいの輪を広げている。

 児島さんのモットーは「健康を第一に友をつくり、趣味を持ち、知識を持ち、周りから信用される人間になる。親の教え『人に喜ばれることをすると、いずれは自分に返ってくる』だった」という。満開中の桜は約140本だが、今年11本を追加した。〝はなさかじいさん〟よろしく「花見に来てくれてうれしい。1本ずつでも増やしていきます」と笑顔を輝かせた。