曽津高崎付近の尾根で発見した石垣(地域おこし隊・泰山さん提供
市民団体が調査し確認
瀬戸内町・西古見 近隣住民も驚き、活用期待
奄美大島の西端に位置する瀬戸内町・曽津高崎近くの尾根で石垣やかまど跡が21日、市民団体の調査で確認された。調査に参加した同町西古見集落(28世帯38人)の宮原仲清区長は「集落住民は石垣の存在を誰も知らなかった。専門機関による現地調査を願いたい」と話した。
集落関係者によると、石垣を最初に発見したのは奄美の植物などに詳しい田畑満大さん=奄美市=。60年ほど前、田畑さんが植物相の研究のため、曽津高崎灯台から尾根伝いに徒歩で探索していたところ、偶然発見。その後集落関係者に石垣の存在を伝え、今回有志による調査を実施したという。
この日は、同集落含む同町関係者や町外など約30人が参加。参加者は曽津高崎灯台に通じる林道から尾根に向かい、1時間ほどかけて現地に到着した。
調査では、高さ約1・5㍍の石垣が4カ所、しっくいでできたかまどを確認。かまどは直径1㍍の穴とたき口が2カ所あり、参加者はその構造を注意深く調べた。
田畑さんの見解では、戦前、曽津高崎灯台を管理していた軍関係の施設とし、尾根伝いルートでの行き来を示唆。その上で「当時の担当者の生活拠点として機能していたのでは。いずれにしても詳細な調査が必要」と話した。
この発見について宮原区長は「新たな観光スポットとして活用したい」と期待感を示した。