「強い実業団選手に」

実業団の九電工陸上競技部所属1年目の濵崎、地元への感謝とともに、これからの自身の走りについて抱負を語った

2年目の今シーズンへ意欲
濵崎(九電工)=奄美市出身=

 例年師走から春先にかけ、各スポーツ団体が強化合宿で奄美大島を訪れている。なかでも、陸上関係は全体の大半を占め、今月14日からは実業団女子5チーム合同の合宿が行われており、地元奄美市出身の濵崎優汐(19)=九電工陸上競技部所属=も参加している。走り慣れた地での合宿に特別な思いを寄せる濵崎に、2年目の今シーズンにかける意気込みなどを聞いた。

 濵崎は同市笠利町の出身。赤木名中、大島高校を卒業後、2016年4月に九電工に入社。新人1年目のこれまでの活動を「いろいろなことを経験させてもらったが苦しいことの方が多かった」と振り返るが、その裏に自身の確かな成長を感じている。

 きっかけは、今年1月にあった第28回選抜女子駅伝北九州大会での出走メンバーからの落選だった。「選考レースに負け、同期選手のサポートに回った。サポートをしっかりすることはもちろん心がけたが悔しさは残った。力がないから負けた。努力しないといけない」(濵崎)。

 練習法をはじめ、就寝前にストレッチや筋力トレーニングを行うなど小さなことから見直し、内面の強化も図ろうとメンタル法を取り入れた。「ただ長い距離を走るだけでなく、つなぎのジョギングも考えて練習するようになった。メンタル強化に関する本を読むように。『マイナスの考えをいかに受け流せるか』など、メンタルトレーニングを自分のものにしたいと思った」。

 心境の変化は、レースにも好影響をもたらせる。2月の「全日本実業団ハーフマラソン」出走した女子10㌔の部タイムは、昨年12月のレースと比べ、46秒縮まった。「上手く走れるようになってきた」(濵崎)。

 自分の走りを突き詰めるようになったタイミングでの地元合宿(23日まで)についても「自分にプラスになっている」と濵崎。「家族をはじめ、自分を支えてくれる周りの人に感謝の気持ち。実業団選手としての姿を見てもらいたい」との思いで練習に励んでいる。

 2年目を迎え、今シーズンなどに向けて濵崎は「強い実業団選手になりたい。チームには国内トップの選手もいて恵まれた環境。自分も結果にこだわり、陸上に真剣に向き合いたい。東京五輪を目指している先輩の思いに自分も乗っかり、練習していきたい。五輪出場は上の話かもしれないが、大きな目標に少しでも近づけるように、まずは目先の大会で自己ベストを目指し、努力していきたい」と抱負を語った。