天城町の景勝地「ムシロ瀬」

看板もいち早く「奄美群島国立公園」を冠した=6日、天城町「ムシロ瀬」海岸

高齢者や身障者にも配慮した「見晴らし展望デッキ」

様々な形に見えてくる?花崗岩の奇岩をぬって設置された遊歩道

奄美群島国立公園を冠し完成
「見晴らし展望デッキ」も

 
【徳之島】天城町が奄美群島成長戦略推進交付金事業で2013年度から推進する観光地連携整備では新たに、徳之島を代表する同町北部の観光名所「ムシロ瀬」(奄美群島国立公園第三種特別地域予定)に「見晴らし展望デッキ」や遊歩道などが完成した。大自然が織りなす花こう岩の自然造形美の一大パノラマが、高齢者や身障者も気軽に楽しめるよう整備した。

「ムシロ瀬」は同町北西に位置し、その名の通り、海岸部にまるで「ムシロ」を敷き詰めたかのような花崗岩が広がる。悠久の時をかけて東シナ海の波浪と風雨が創出した巨岩・奇岩の壮大な景観は「奄美十景」の一つでもある。しかし遊歩道の段差や損傷が著しく、観光客など来訪者の安全な歩行に支障を来し、特に高齢者や体の不自由な人々には危険な状態だった。

このため同町は、①自然とのふれあいを求める観光ニーズに応え、安全で快適な利用の推進②来訪者が癒しを感じられる空間の形成③同観光地のイメージアップと多様な観光ニーズ対応、観光入込客の拡大(商工水産観光課)のため、16年度「ムシロ瀬観光地連携整備事業」(成長戦略交付金含め事業費約4700万円)を進めた。

奇岩の数々のほか大海原にトンバラ岩、奄美大島の島影も望める「見晴らし展望デッキ」1基や多目的トイレの設置、遊歩道改良整備(延長100㍍)、管理通路設置(同200㍍)、駐車場改良整備などを実施。遊歩道はすでに利用可能状態。デッキや多目的トイレは県の完成検査も経て月内に供用開始するという。

同町は13年度から3年継続で町南部の景勝地「犬(いん)の門蓋(じょうふた)」の展望台復元や遊歩道改良整備、転落防止柵の改良整備を実施(総事業費約8220万円)。16年度のムシロ瀬に続き、17年度からは2年継続で「大和城(ぐすく)山」(251㍍)=頂上に旧日本軍戦闘指令所跡、中腹に山寺=の遊歩道や駐車場、トイレなどの整備事業を進める方針だ。