奄美群島国立公園誕生祝う

セレモニーで記念の懸垂幕を設置した奄美市(写真は名瀬総合庁舎)

自治体庁舎など懸垂幕や横断幕
朝山市長「世界自然遺産登録前に環境整備」

国内で34番目となる奄美群島国立公園が7日、誕生した。世界自然遺産登録の候補地となっている、奄美大島と徳之島を含む、沖永良部島、与論島、喜界島で構成する同群島が官報の告示で国立公園が正式に指定された。同日、12市町村、環境省野生生物保護センター(大和村)、県大島支庁の各庁舎では「祝 奄美群島国立公園指定」と大きく書かれた懸垂幕と横断幕が設置され、群島各地は祝福ムードに包まれた。

環境省は国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、多種多様な動植物が生息・分布する群島の特長を評価。「生命=いのち=にぎわう亜熱帯のシマ~森と海と島人=しまっちゅ=の暮らし」をテーマに挙げ、「多様な生態系が複合した景観」「人と自然の関わりを示す文化景観」などを公園計画の基本方針に盛り込んだ。

指定面積は陸域4万2181㌶、海域3万3082㌶の計7万5263㌶。県内で4番目となる今回の国立公園指定は、2018年夏頃を目指す自然遺産登録の前提条件になっている。

同日、奄美市名瀬総合支所庁舎玄関前で記念セレモニーが開かれ、幅1㍍、長さ6㍍の懸垂幕を設置。朝山毅市長、竹山耕平議会議長、学校児童など約200人が除幕式に臨み、奄美の国立公園化を祝った。

朝山市長は「先人から継承してきた自然や文化を後世に伝えていくことが求められる」と述べた上で、「世界自然遺産登録を前に、環境整備に努めたい」と意欲を示した。

名瀬小学校6年・下河空蒼=そら=くんは「自然をもっと大切にしたいと思うようになった」と話した。