対馬丸企画展、来館者堅調

生存者の証言記録に見入る見学者

宇検村元気の出る館 平和学習の取り組みも
生存者の証言記録に見入る

宇検村湯湾の元気が出る館で、1日から開催されている対馬丸慰霊碑建立記念企画展の見学者が堅調だ。村内の小中学校では、慰霊碑を訪れた後に見学して平和学習の取り組みも。同教育委員会事務局は、19日開催の慰霊碑除幕式に向けて「沖縄の対馬丸記念館から借りた貴重な資料があるので、より多くの人に対馬丸事件などについて知ってもらえたら」と期待を寄せている。

同教育委員会事務局によると、企画展がスタートしてから来館者は116人(10日午後1時現在)。内訳は村内70人で村外は46人(県外4人を含む)で、当初の想定を上回る見学者数という。

対馬丸記念館の資料は同事件で遭難して漂流し、奄美で救助された生存者の証言が、スケッチと共に記録されたものや遭難者が使用していたランドセルの複製などを展示。生存者の一人・上原清さん(81)は、自身の体験画(水彩画)11枚と平和への思いを込めて作詞した曲「海の子守唄」(カセットテープ)を同村に寄贈。

同村の久志小中学校(神田哲郎校長・9人)は3日、遠足を利用して竣工された慰霊碑を訪問。パンフレットを利用して同事件などを学習した。同校の教職員と児童生徒たちは、慰霊碑訪問の翌日に同元気の出る館の企画展を見学し、生存者の証言記録などから平和の大切さについて学んだ。19日予定の慰霊碑除幕式に、同校児童生徒も参加する。