新緑の先駆け

西康範さんが撮影した「シマウリカエデ」の花

「シマウリカエデ」開花

3月も中盤に入るが、このところ奄美地方も寒の戻りのような気温の低下が続いている。10日の名瀬の最低気温は9・4度と10度を割り込んだ。それでも自然界は季節の移り変わりを告げており、新緑の先駆けとして「シマウリカエデ」の開花の様子を西康範さんが撮影した。
西さんは奄美大島の林道で撮影。花の淡い色彩の萌黄色が、新緑のみずみずしさを伝えるようだ。

『琉球弧 野山の花』(片野田逸朗さん著・南方新社)によると、カエデ科で、奄美大島・徳之島の固有種。低地~山地の林縁で見られる雌雄異株の落葉小高木。葉身は卵形で浅く3~5裂し、長さ3・5~8㌢、先は尾状で基部浅心形から円形、縁には不整鋸歯がある。総状花序の花は10~15個つくという。

新しい年度が始まる4月に入ると奄美の森は鮮やかな新緑に彩られる。希少な動植物を育む国内最大規模の亜熱帯照葉樹林の森は国立公園として指定された。