「あしたの加計呂麻島」来年度本格始動

次世代への継承に向け「あしたたの加計呂麻島プロジェクト」が立ち上あがり、2日総会が開かれた

6事業推進で地域再生
今年度は組織形成、調査研究へ

 次世代に豊かな島を継承しようと、加計呂麻島をはじめ、3島で地域再生に取り組む「あしたの加計呂麻島プロジェクト」がこのほど立ち上がり、2日、諸鈍・加計呂麻島体験交流館で総会が開かれた。島民など約130人が出席。5カ年計画で進行させ、実現に向け、農業や関連産業の振興、観光拠点の開発などを目標に6事業を展開。今年度秋頃には、国に「加計呂麻地域総合再生計画」を町と共同申請するほか、各事業の基盤づくりを推進し、来年度からの本格始動を目指す。

 来賓出席した金子万寿夫衆院議員はあいさつで、来年の世界自然遺産登録の見込みなどを背景に交流人口拡大を歓迎する一方で、人口減少に歯止めをかけるため、農業を例に仕事創出の必要性を強調。「みなさんでこのプロジェクトを成功させるため、これから先どう物事に取り組んでいくかが課題でもある。私もその一翼おを担っていきたい」などと激励した。

 同計画案は六つの事業を柱に構成。①【水土里サークル活動】②販売用の作物や加工産品の「安定的・持続的な生産」と「消費生活の抜本的な改善」を可能にする【広域共同分担生産直売事業】③加計呂麻島を黒糖生産とスイーツなど関連加工産品生産日本一にする【水平的6次産業化プロジェクト事業】④西部地域の農村集落を観光拠点集落へと変貌させる【大島海峡サンセット・クルージング・ゴールデン周遊コース開拓事業】⑤「小中学校の休廃校問題」を解決していく「有効な教育手段」を地域で創り出す【自学自習能力増進支援システム創出事業】⑥「地域の魅力イメージ形成力」を増強し、「地域ブランド」創造運動を展開する【総合的な地域情報化事業】―の各事業に取り組む六つのプロジェクトチームを編成し、今年度は組織形成、調査研究などを進めながら、本格始動に向けた計画を順次策定する。

 ②では、与路・請島含む3島島民が広く協働して、荒廃農地を活用し農作物の分担生産や、互いの集落・校区で相互に直売・購入できる体制構築も見据え、経済的基盤づくりの一環で「広域ネットワーク型の地域協働経営体」を創設、「地域再生推進法人」として指定申請を予定する。

 式最後は、芝集落の農業、重稲隆子さんが加計呂麻全島民、町民へのアピール文書を朗読。出席者一同で、プロジェクト成功に向けた推進を誓い合った。