5回の集中打でコールド勝ち!・大島

【準々決勝・池田―大島】5回裏大島一死一塁、6番・盛山が右越え二塁打を放ち、4―1とリードを広げる=県立鴨池

徳之島、4日に鹿実戦

春高校野球第11日

 【鹿児島】第140回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第11日は3日、鹿児島市の県立鴨池球場で準々決勝2試合があった。

 奄美勢は大島が池田と対戦。五回裏に集中打を浴びせて6点を奪い、七回コールド勝ちだった。

 第12日は4日、同球場で準々決勝残り2試合がある。奄美勢は徳之島が第2シード鹿児島実と対戦する。

 【評】大島は初回、4番・太月の中前適時打で先制する。四回に同点に追いつかれたが、五回裏、先頭の2番・濱田、3番・有馬の連続三塁打で勝ち越し。5番・瀬川の犠飛、6番・盛山の右越え二塁打、9番・吉見のセーフティーバント、1番・本田の2点適時打と打者10人で6安打を集中し、6点を奪って流れを引き寄せた。先発のエース中村は終始落ち着いた投球で、池田打線を1失点で抑えた。

「この一瞬にかける集中力」を発揮
大島

170403大島5点目

【準々決勝・池田―大島】5回裏一死一三塁、9番・吉見がセーフティーバントを決め、5―1とする=県立鴨池

 五回裏の先頭打者だった2番・濱田雄一郎主将は「先制したのに追加点が取れなくて苦しかった。自分が絶対出るつもりで打席に立った」という。2球目を迷わず振り抜き、中越え三塁打を放った。主将が口火を切り、集中打で奪った6点で勝機を力強く手繰り寄せた。

 過去3戦「初戦で負けてもおかしくない」(塗木哲哉監督)接戦だったのを、ものにできたのは「この一瞬にかける集中力」を勝負所で発揮できたからだ。この試合では五回の集中打がそれを物語る。

 二回以降好機は作りながらも追加点が奪えないことに、危機感を覚えていた主将が突破口を開いた。3番・有馬、6番・盛山が長打で続いただけでなく、9番・吉見圭太郎は二死一三塁で意表を突くセーフティーバントで5点目を挙げた。吉見は「中村が苦しそうに投げていたので何とか助けたかった。今大会当たっていなかったので、得意なバントは絶対決めようと思っていた」と言う。

 攻撃でも守備でも「今、するべきことに集中できていた」(塗木監督)。三回は外野が目測を誤って二塁打にしたが、捕手・盛山が不用意にリードをとった二走を好送球で刺している。六回はエラーで先頭打者を出したが、エース中村が絶妙のけん制で誘い出し、アウトを取っている。

 今大会4戦目で攻守がガッチリとかみ合い、3季ぶりの4強を勝ち取ったが、塗木監督は「ここからが本当の勝負」と気持ちを引き締める。初の決勝進出と、九州大会出場をかけて、昨秋苦杯をなめたシード神村学園に挑む。濱田主将は「(ベスト4で)先輩たちに肩を並べただけ。先輩たちを超えることを目指してやってきた。次に向けての準備をしっかりしたい」とカブトの緒を締め直していた。
(政純一郎)