新しいトンネルを練り歩く関係者と地元住民
宇検村の県道・佐念工区
災害時の集落孤立防止
県大島支庁が整備を進めていた宇検村の一般県道曽津高崎線の佐念工区で津代=つしろ=トンネルが8日、開通。同トンネル名柄側入口で開通式が行われた。安全祈願祭やテープカットなどがあり、訪れた関係者や地元住民がトンネルの開通を盛大に祝った。
同区間の道路整備事業は集落間の交通路と防災体制の確保を目的とし、2004年に開始。総事業費は約32億円で、事業延長は3・2㌔。同トンネルの開通で同区間の事業は終了した。
同トンネルは全長138㍍で2車線(幅員5・5㍍)。総工費は8億2千万円で、短縮効果は約120㍍。
この日の式典では関係者による安全祈願祭の後、関係者と名柄小中学校の児童生徒によるテープカットとくす玉開きが行われた。通り始めパレードでは同小中の児童生徒が「祝開通津代トンネル」と書かれた横断幕を持って先頭に立った。参加した約100人の関係者や地元住民はそれに続く形で、トンネルを練り歩いた。
同村の元田信有村長は「従来の道は幅が狭く、見通しが悪かった。トンネルの開通で事故や、災害時に集落が孤立することを防止できる。トンネルの開通は奄美大島南部の振興につながるもの」と今後への期待を語った。
式典に参加した同村佐念区長の内田長男さんは「4月に佐念から名柄小学校に児童が入学したばかり。通学路にはちょうど良い。距離が短くなって便利になった」と話した。