深山トンネル開通

深山トンネルの開通を祝い、テープカットとくす玉開きを行った

住民ら通り初めで完成祝う
瀬戸内町・篠川下福線

 瀬戸内町篠川を通る県道篠川下福線(612号)の深山=みやま=トンネル(延長370㍍)が9日、供用開始した。同日は現地で開通式があり、地元住民や行政関係者らが完成を祝い、トンネル内を通り初めした。

 同線は、奄美大島南西部と島内中心部を結ぶ幹線の一部。防災・救急体制の効率化など国道58号の迂回路線と位置づけられ、さらに篠川から同町西部の地区住民にとって、奄美市など中心部へ向かう主要な交流ルートとしても期待されている。

 従来の路線は急峻で幅員が狭く、急カーブが続くなど交通の難所だったため、県は11年度道路改築事業を着手。開通した深山工区(トンネル含む計画延長560㍍)は、トンネル本体工事費約12億円、周辺整備を含めた全体事業費は約18億円。幅員8㍍、車幅5・5㍍(片側2・75㍍)で歩道はなし。完成により工区内は約700㍍短縮された。

 式には篠川集落住民や行政、工事関係者など約100人が参加。宇検村側のトンネル入り口会場で安全祈願祭。地元選出の県議、鎮寺裕人大島支庁長、鎌田愛人町長らが参列し、テープカットとくす玉開きを行った。その後、参加者は通り初めに参加。地元の児童生徒が「祝開通」の横断幕を掲げ、完成したトンネル内を練り歩いた。

 同集落での完成祝賀会で鎌田町長は「交通利便の向上、世界自然遺産登録による交流人口の拡充など、西方地区の振興に期待したい」。金井直利区長(73)は「念願だった幹線道の開通。災害不安の解消など住民の安心につながり、うれしく思う」とそれぞれ完成を喜んだ。