全国神校会・広報誌「絆」

全国神校会連絡協が発行を続け19年(号)目の広報誌「絆」

情報誌「絆」 横浜さんら
「人の輪、心の輪」のかけ橋(第19号)を楽しみにしていた横浜さん(手前)=14日、徳之島町井之川

「人の輪・心の和」かけ橋19年
発奮への動機づけも

 【徳之島】「個々の頑張りやふるさとの様子を伝え合うことは、発奮への動機づけに」―。徳之島町の神之嶺小学校区と同出身者たちの組織「全国神校=しんこう=会連絡協議会」(徳久晃一会長)の広報誌『絆(きずな)』。4年越しの「絆サミット」と併せて全国4地区が輪番制で年1回編集・発行を続けて19年(号)目。出身者間とふるさとの「人の輪・心の和」の〝かけ橋〟となっている。

 神之嶺小校区(神嶺=しんれい=校区・地区)は徳和瀬、諸田、井之川、下久志、旭ヶ丘の5集落。「神校会」は1955(昭和30)年に関東地区で発足した井之川会(のち東京井之川会、関東神校会へ)をはじめ関西、鹿児島など全国の神校会、ふるさとの校区で構成。全国各地区単位での郷友会活動とは別に4年に1度、4地区持ち回りの全国「絆サミット」を開いて絆を確かめ合っている。

 そして同全国連絡協の広報誌「絆」は、東京都立川市の元印刷業・盛田清一郎さん(故人)=井之川出身=が99年に「神嶺地区および各神校会の連帯を推進して人の輪、心の輪を広めるかけ橋に」「島の歴史、伝統文化など継承の後援的務めを」など願って創刊した。

 神嶺地区は第46代横綱朝潮太郎を筆頭に喜劇役者の八波むとし氏、城山観光創業者の保直次氏らをはじめ法曹、医療、実業、芸術分野などに多士済々の人材を輩出している。盛田さんは病弱な身を押して沖縄を含む全国の神校会関係者を取材して伝えた。その遺志は関東、関西、鹿児島、ふるさとの4地区が4年間ずつの輪番制で受け継いだ。

 最新の第19号(タブロイド判、32㌻)は関東神校会(徳久会長)が担当。副題は「世界自然遺産登録で 護=まも=る育てる われらが美(きゅ)ら島徳之島」。内容も関東神校会の60周年記念「絆サミット」(東京)や各会合同「年の祝い」など活動のレポート、各界有志のふるさとへの想いなど随筆や近況報告、母校神之嶺小と井之川中の在校生の感想文などと幅広い。約2千部印刷。校区内の全693戸をはじめ各神校会イベント会場などで配布している。

 全国神校会の初代会長で元学校長の横浜健二さん(87)=井之川在住=は「原稿集めなど編集の苦労はあるが、校区民や出身者のみんなが見てくれている。出身者個々の頑張りと島の様子も分かり、教育的配慮もある。〝井之川根性〟など発奮への動機づけにもなっていると思う」と話した。