躍動感あふれる式歌を作曲、生で披露

都立光明学園の式歌を披露する平田輝さん=世田谷区松原の同学園の体育館で

平田さん2
「躍動感あふれる生歌に感動した」と話す田村校長(左側)と、作曲した平田輝さん

歌詞
都立光明学園の式歌の歌詞

奄美出身の平田輝さん
都立光明学園開校式で

 【東京】東京都内でも長年の歴史を持ち、伝統と誇りのある肢体不自由教育部門の光明特別支援学校と病弱教育部門の久留米特別支援学校は、今年4月から都立光明学園(田村康二朗校長・入学生22人)として10日開校した。この開校式で、奄美出身のシンガーソングライターの平田輝さんが作曲した「僕らは翼をもっている」が、ピアノ演奏で披露され、生演奏を聴いた田村校長は「平田さんの生歌を聴いて、躍動感のある素晴らしい歌と思いました」と絶賛した。

 平田さんが、同学校の開設準備室から式歌を依頼されたのは、昨年のこと。肢体不自由児の通学する学校とは知らずに、終業式に訪問し、これまでの楽曲の制作経験を生かして曲を作ろうと考えていたが、子どもたちの明るさ、教職員たちの笑顔に、言葉には言い表せない感情があふれ、この気持ちを歌にすることが使命だと感じたと、CDの「僕らは翼をもっている」が出来あがるまでに詳しく記されている。

 子どもたちから歌詞を募集し、曲を作るに当たって心がけたのは▽できる限り子どもたちから募集した言葉を使うこと▽なかには児童が自らメロディをつけた言葉もあり、それもできる限り取り入れたい▽イントロが鳴ったらみんながドキドキして、歌い終わったときに「きょうも頑張ろう!」と思えるような歌を作りたい―と考えながら、何度も子どもたちの言葉を読み返すうちに「友達」「「夢」「ア愛」の三つのキーワードが浮かび上がった。さらに、これをまとめるテーマとして、子どもたちが頭の中で考えることは「想像にあふれているはず」と考え、すぐに「僕らは翼を持っている」という言葉が生まれ、メロディが湧き上がってきたという。

 入学式後の、開校式で作曲した歌を披露した平田さんは「伝統のある光明学園の式歌を作らせてもらい光栄に思っています。生徒たちの勇気の歌になるように一緒に歌ってください」と頭を下げ、ピアノを演奏、高らかに式歌を披露した。

 前日から奄美出身の作曲家が来るとのことでNHKの「ブラタモリ」を見て、テンションをあげたという田村校長は「ピアノ演奏の生歌は本当に素晴らしかった」と感動し、杉本順副校長は「これからは、いろんな行事で歌っていきたい」と語った。