南西糖業が製糖終了

6期ぶり「豊作」の今期製糖を終えた南西糖業(徳和瀬工場)=19日、徳之島町

6期ぶり22万㌧台の「豊作」
単収に町別格差も

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(田村順一社長)は18日までに2016/17年期操業を終え19日、製糖実績を発表した。気象条件に恵まれて「豊作」型で生育推移。3町のサトウキビ生産実績は、6期ぶりの22万㌧台確保となる計22万2539㌧(小型工場処理分1840㌧含む)を達成した。

 南西糖業の大型2工場は昨年12月8日に原料搬入を受け入れ今期操業を開始。「豊作型」を背景に、当初生産見込み量(21万754㌧)から、うれしい上方修正が相次いだ。当初計画の搬入終了予定日(4月4日)も徳和瀬工場が16日に、伊仙工場が17日まで延期。原料受け入れ日数は前期比で21日間も多い計114日となり、18日夕までに無事故で今期製糖を終えた。

 同社徳之島事業本部(原料統括部)によると、今期のキビ生産実績は22万2539㌧(10㌃平均単収6・204㌧)で、前期比5万3344㌧(31・5%)増加。町別内訳は▽徳之島町(面積1162㌶)=6万7173㌧(10㌃平均単収5・781㌧)▽天城町(1219㌶)=8万5191㌧(6・989㌧)▽伊仙町(1206㌧)=7万175㌧(5・819㌧)。

 町別の平均単収では、天城町(6・989㌧)と徳之島町(5・781㌧)間で1・2㌧の差を生じ、伊仙町(5・819㌧)が徳之島町に初逆転したのも特徴。

 一方で、買い入れ糖度は平均13・87度と前期比マイナス0・16度だったが、単収増や輸入糖売戻価格のアップなどがカバーした形に。ハーベスター収穫面積率は前年比1・8ポイント増の96・7%(徳之島町94・6%、天城町98%、伊仙町97・2%)に増えた。

 同社は「過去5年間は、気象災害や害虫被害などが重なり不作が続いていた。今期は台風被害もほとんどなく、適度な降雨にも恵まれたことが豊作の要因」。来期に向けては「今期の年内早期操業開始により、新植春植えの準備や植え付け作業も進み、株出しほ場の生育状況も良く、好循環サイクルに。関係機関一体で生産量の確保・単収向上に取り組み、農家の所得向上、島内の経済活性化を図りたい」とした。