武下流東京同好会発表会

個人発表会、入門間もない人も一生懸命に習いたてのシマ唄を歌う

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懇親会では武下さんとかおりさんのシマ唄も披露された

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師範初級に昇級した豊蔵匂さん

奄美のシマ唄に浸る
適切なアドバイス、努力評価

 【東京】練習生たちの歌声が響き、歌い終わると会主の武下和平さんが、一人一人に丁寧に声をかける――。奄美民謡武下流東京同好会(露崎博子会長)の2016年度の個人発表会がこのほど、東京四ツ谷の「主婦会館」で開かれた。会員ほかシマ唄好きらが集まり、奄美のシマ唄に浸った。

 発表会は今年で24回目を数える。武下流の会員は200人を超える大きな会。東京同好会は40人ほどで、合同練習日は月に一度、武下さんが指導に来るのは二か月に一度ながら、それぞれが、自主練で腕を上げている。この日は昇級試験を兼ねた発表会があり、27人が練習の成果を披露した。今年は師範初級の受賞者もあった。

 一人一人が練習の成果を発表すると、武下さんから「とてもいいが、もう少しキーを下げたらもっと歌が豊かになる」「三味線に合わせる歌い方をもっと練習したほうがいい」「力を抜くところは抜いて、裏声をもっとつかったほうがいいね」「一曲を丁寧にやりなさい。唄に深みが出ます」など一人一人に適切なアドバイスがあり、発表者らの努力を評価した励ましの言葉に、受講者らは熱心に耳を傾けていた。

 師範初級に昇級した豊蔵匂=かおり=さんは55歳から習い始めて、78歳になる。現役時代はあまり練習に出られなかったが、今はじっくりとシマ唄に取り組んでいるという。持ち歌は40曲も。「シマ唄が好きで始めましたが、師匠が穏やかな人だから続けてこられました。シマ唄は正しく歌っても、うまいか下手かはわからないです。昇級はとてもうれしいです。子や孫に自慢します」と目を細めた。

 発表会の後は16年度の修了式と懇親会が開かれ、生徒たちが合同でシマ唄を披露したり、武下さんと娘のかおりさんによるシマ唄が披露され、来場者らも踊りや歌で盛り上がった。