認知症サポーター養成講座

認知症サポーターの証「オレンジリング」を腕にしたホテル従業員ら=知名町フローラルホテル=

従業員のサービス向上に
知名町 フローラルホテル

 【沖永良部】ホテルの従業員を対象にした認知症サポーター養成講座が20日、知名町のフローラルホテルであった。同町地域包括支援センターの職員が、認知症の症状や対応の仕方を説明。参加者には、認知症サポーターの証となるオレンジリングが贈られた。
 認知症について理解を深め、サービスの向上につなげようとホテル側が同町地域包括支援センターに講座の開催を依頼。同日は、午前と午後の2回行われた。

 午前の部には、ホテル従業員ら10人が参加。地域包括支援センターの松岡親子所長は「認知症は、今後誰もが関わっていく問題。今回学んだことをホテルの業務だけでなく家庭や地域でも生かしてほしい」とあいさつした。

 認知症における記憶障害について講師は「加齢による物忘れの場合、体験したことを部分的に思い出せないことがある。しかし、認知症になると体験全体を忘れている」と話し、日常生活においては「認知症の人は、自分の生活を改善する術がわからないので、周囲の手助けが必要」とアドバイスした。 

 参加者は、認知症の人との接し方をDVD(約15分)で確認したほか、成年後見制度や社会福祉協議会で提供している「日常生活自立支援事業」など、高齢者や認知症の人を支える制度についてもレクチャーを受けた。

 フローラルホテルの岡一渚さん(19)は「祖父も物忘れの症状があったので、講座を通して認知症の勉強ができて良かった。高齢者に寄り添った対応を心掛けたい」。同ホテルの東山輝昭支配人は「ホテル設立から21年目を迎えられたのも、支えてくれた地元住民のおかげ。講座を受けることで、地域貢献につなげていきたい」と語った。