「第1回奄美平和音楽祭」

築地さんの遺影と共演する奄美の唄者たち

築地俊造さんの遺影も舞台に
平和への願い込める

 「第1回奄美平和音楽祭~平和への祈りを歌う~」(同実行委員会主催)が23日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。同音楽祭は二部構成で第一部【島の唄】に奄美大島出身の唄者らが、第二部【平和の唄】に沖縄民謡の古謝美佐子さん、カルメン・マキさんなどが出演した。出演が予定されていて14日に死去した築地俊造さんも、舞台上に遺影を掲示してステージに参加し、平和への願いなどが歌われた。

 同実行委員会(長田勇会長)は昨年秋頃、奄美平和音楽祭を構想。築地さんなど奄美大島出身の唄者と音楽祭の実現に向けて取り組んできた。

 第一部【島の唄】には、西和美さん、中村瑞希さん、前山真吾さん、里朋樹さんが出演。「野茶坊節」、「徳之島節」など全11曲が披露された。

 平和への願いを込めた歌として、1974年に歌手美空ひばりさんが歌った「一本の鉛筆」を中村さんがカバー。前山さんがいろんな歌詞で歌われる「くるだんど節」を原爆が出てくる歌詞で披露した。

 第一部の後半で築地さんとの約40年の思い出が、西さんから語られた。築地さんが奄美平和音楽祭に出演することを楽しみにしていて、点滴を打って体調回復に努めていたことなど紹介。舞台上のスクリーンでは築地さんを追悼して、「まんこい節」を歌う映像が流された。

 第一部の終盤は、4人の唄者が舞台に登場し、「行きゅんにゃ加那」、「イトゥ」、「ワイド節」が歌われた。西さんは築地さんの遺志を引き継ぎ「若者に教えながら、島唄を続けていきたい」と語った。