オオシマウツギ「開花」

小さな花を咲かせたオオシマウツギ

観察の森 小輪の白い花、森飾る

ゴールデンウィーク(=GW)も半ばを迎えた。今年はGW前半、青空が広がったところが多く、各地が行楽客でにぎわった。龍郷町の奄美自然観察の森では、国立公園の緑の中、ルリカケスなどの鳴き声が響き、奄美ならではの自然を満喫することができる。

同施設ではこの季節、「オオシマウツギ」が美しく道路わきを飾る。『琉球弧 野山の花』(大野照好さん監修、片野田逸郎さん写真・文)によると、同種はユキノシタ科の植物で、奄美大島、喜界島、徳之島の固有種。低地~山地の林縁に分布し、6~7㍉の小さな白い花をつける。楕円形または卵型の葉をもつ。徳之島にはオオバナオオシマツムギ、沖縄にはオキナワヒメウツギという変種が分布するという。

同施設の自然観察指導員・川畑力さんによると、見頃は5月中旬頃までとのこと。

同種は環境省のレッドデータブックへの記載はないが、紛れもなく貴重な植物。同施設には同様の固有種が多く存在し、鳥類などの生物も気軽に観察できる。後半に差し掛かろうとするGW。曇りの日が多いというが、せっかくの機会に奄美の自然と触れ合ってみてはいかがだろうか。