ミスターやんばる・山城定雄氏講演

徳之島町地域づくり講演会(円内は講師の山城氏)=2日、同町文化会館

官民協働の地域づくりを
徳之島町で足元の資源掘り起し提言

【徳之島】徳之島町地域づくり講演会(町北部創生推進委員会主催)が2日、同町文化会館であった。沖縄県やんばるの貧村だった同県東村の行政マン時代に、「つつじ祭り」や草分けのエコとグリーンツーリズムを仕掛け年間約10万人の観光客を呼んだ〝ミスターやんばる〟こと山城定雄氏(64)=が演題「住民参加による集落おこし~行政がタネを蒔(ま)き、住民が花咲かす」で講演。足元の資源(宝)を掘り起こし官民協働することの大切さも説いた。

世界自然遺産登録を目指している今、地域づくりの秘けつを聴こうと、町ふるさと思いやり基金を活用した講演会。講師の山城氏は東村役場の企画畑を中心に34年間勤務。1995(平成7)年に同村21世紀ビジョンを策定して「エコツーリズム&グリーンツーリズム」の草分けの仕掛け人となり、体験学習・体験観光・まちづくりを実践。日本一のパイン産地ブランドも仕掛けた。現在、沖縄県振興審議会専門委員、同県地域づくりネットワーク副会長・運営委員長など。

町内外から老若男女の約300人が来場。高岡秀規町長あいさつや郷土芸能(亀津浜踊り保存会・浜踊り、母間校区振興会・田植え踊りほか)のオープニングステージに続き講演に入った。

山城氏は、地域住民の植栽・栽培管理ボランティアも根付かせて復活させた「つつじの森」講演や、「自然こそ資源」で行き着いた交流型農村への①21世紀ビジョンの地域づくり②足元の地域資源の掘り起こし③エコ&グリーンツーリズム(民泊)―など草分けの取り組みの経緯。観光・交流人口増による村民平均所得の飛躍的アップなど実績も交え解説した。

7つのポイントとして①身の丈に合った取組み②ないものねだりではなく、あるものを生かす③こだわりを持って、差別化をはかる④コツコツと手間をかけて⑤民間・行政「官民協働」⑥地域の構想力⑦キーワードは「夢・戦略・信念・情熱―を強調。

そして「徳之島への7つのメッセージ」として、①足元の資源「宝さがし」を始める②ないものねだりでなく、あるものを生かす③身の丈にあった地域(集落)づくり④農業と観光の両面による活性化を図る⑤行政と民間の得意分野を生かす⑥人材育成、情報発信、徳之島ブランド⑦沖縄が失ってきたものが奄美に残されている。奄美群島が一体となって取り組んで欲しい―とも提言した。