方言サミット奄美大会報告書

昨年11月開催の言語・方言サミット奄美大会in与論

危機への理解深まり 大島支庁

県大島支庁総務企画課はこのほど、昨年11月13日に与論町総合体育館(砂美地来館)で実施した『危機的な状況にある言語・方言サミット(奄美大会)・与論』(文化庁や国立大学法人琉球大学、鹿児島県などが主催)の報告書を作成した。報告書は、全163ページで、そのうち136ページでサミット全体がまとめられている。

報告書ではサミット開催の趣旨について、2009年2月にユネスコが発表した「世界消滅危機言語地図」に日本から8言語が入り、その中に奄美語、国頭語(与論の言葉ユンヌフトゥバを含む)があったためとしている。研究者の発表や、消滅危機とされた8言語の話者の方言聞き比べも収録されている。

またサミット開催地の与論町からは、与論小学校の方言(ユンヌフトゥバ)劇の取り組みなどを紹介。報告書の巻末の27ページは、危機的な状況にある言語・方言に対する文化庁の取り組みやサミット当日に実施したアンケート調査の結果などが関係資料として掲載されている。

アンケート集計結果によると、方言サミットで危機言語・方言に対する理解の深まりがあったとする肯定的回答が、回答者全員から得られたとしている。またサミットのような取り組みの必要性も全員が同意する結果だった。