名瀬市街地を通行する奄美ナンバーの車両
2014年11月に交付スタートしたご当地ナンバー「奄美」の普通自動車普及率は、17年3月末現在、27・46%(前年比9・92?増)に上ることが分かった。奄美市名瀬和光町の(一社)奄美自動車連合会(和正巳会長)は「全体的な普及率は年々増加している」との見解を示し、世界自然遺産登録(来夏見込み)など今後増加が予想される観光客へのPR効果を見据え、「奄美ナンバー」への切り替えを呼びかけている。
九州運輸局鹿児島運輸支局奄美自動車検査登録事務所によると、17年3月末現在、奄美群島の保有車両(登録自動車分)数は2万4406台。そのうち同ナンバー登録数は6701台で、前年同時期に比べて2176台増えた。
ご当地ナンバーはこれまで全国30地域で交付され、06年に第一弾(20地域)、奄美を含む第二弾(10地域)を施行。公表された普及率データによると、第二弾の中で最も普及率が高かったのは「杉並」34・24%。奄美は最も低かった「平泉」26・45%に次ぐ低さだった。
奄美ナンバーは九州初のご当地ナンバー。離島での交付は全国でも初めてのケースとして注目を集めた。それを受け、群島内では自治体の公用車を中心にバスやタクシー、レンタカーなど事業所の積極的な切り替えを背景に同ナンバー登録数の初動は概ね好調だった。
一方、一般所有車の既存ナンバー(鹿児島)からの切り替えは低調傾向が続いている。新車購入や奄美への転入時は自動的に「奄美」で交付されるが、群島内在住者の場合は手続きと手数料が必要となる。同島内の事業所関係者は「手続きが煩わしいとの声を聞く。ナンバー普及の伸び悩みの要因では」と指摘する。
奄美ナンバーへの切り替え窓口となっている同連合会によると、交付開始した2014年11月以降、軽自動車以外の車両で約6千件。軽自動車は1万6350件を対応。担当者は「群島内で保有車両数が多い軽自動車のナンバー切り替えが普及率向上に直結する」と分析している。
村田輝満専務は「観光客の入込増が見込まれ、奄美のPRの一環としてご当地ナンバーの普及に理解を願いたい」と語った。
なお軽自動車を管轄する「軽自動車検査協会鹿児島事務室奄美分室」は、奄美ナンバーの保有率について「ナンバーごとの管理を行っていないため、軽自動車での普及率は不明」としている。