「あったパークゴルフ場」

オープンを前に集落住民らがコースを清掃した

耕作放棄地利用で地域おこし
14日オープン 住民らで草取りなど作業

全国で人気が高まっているパークゴルフ場が14日、奄美市名瀬有良集落にオープンする。集落内の耕作放棄地を再整備し、地域おこしにつなげたいとする認可地縁団体「あった町内会」(原口鐵麿代表)がコース開設の準備を進めてきた。一般開場を前に住民や団体関係者は7日、コース周辺で草取りや芝生の手入れなど整備作業に汗を流した。

「パークゴルフ」は芝のコースを専用クラブでボールを打ち、カップインするまでの打数を競うスポーツ。グリーン上のカップを狙うプレースタイルはゴルフに近い。

(公社)日本パークゴルフ協会によると、公認コースは全国に400カ所以上。鹿児島県内は与論町の「龍美パークゴルフ与論」(18ホール)を含め4カ所ある。

今回開場する「あったパークゴルフ場」は、敷地面積約8千平方㍍。コースは西9ホール(パー33、348㍍)、南9ホール(パー33、436㍍)の計18ホールで設計された。料金は18ホール600円、36ホール千円。

同町内会によると、コースの敷地はもともと水稲の苗を仕立てる苗床だったという。人口減少や農業の衰退で耕作放棄地となっていたが、数年前に土地の有効利用を同集落出身の元奄美市長・平田隆義さん(79)が提案。集落内で協議を進め、将来的にも利用できる施設整備を住民総意として決定した。

その後土地取得に向け、認可地縁団体を設立。2年前から地権者の同意や関連手続きなど準備を進めたほか、同市「2016年紡ぐきょらの郷づくり事業」の助成金など活用し、今回、競技場開設が実現した。

7日は、開場前の最終準備として、住民総出で清掃作業。コース周辺では花木の植付け、芝刈りなどを精力的に行った。

原口代表は「住民一丸となって、開場にこぎつけることができた。集落の地域おこしの核として運営に尽力したい」と意欲を見せ、今後について「競技の面白さを多くの市民に知ってもらえたら」と語った。

13日は、同集落のあった結い交流館で完成式典を開催。