「子宝の島の〝子宝ユリ〟?」

「子宝の島の子宝ユリ?」。一挙に約100個の花を広げた自生のテッポウユリと牧本さん夫妻=8日、伊仙町

自生ユリ 一挙に約100個開花
伊仙町西犬田布のバレイショ畑

【徳之島】「子宝の島の〝子宝ユリ〟では?」。伊仙町西犬田布のバレイショ畑の畦畔(けいはん)部に自生するテッポウユリのうちの1株が、茎を扇状に広げ約100個の花を一挙に咲かせた。圧巻の珍芸は、大型連休中を通して静かな話題を呼び、日ごろのどかで癒しの農村地域に観光スポットを提供している。

話題提供の主は、同地の農業牧本敬次郎さん(71)と美容師のトシ子さん(69)夫妻。「バレイショを収穫中の約1カ月前、1本の茎に100個以上のつぼみをつけたユリにびっくりした。数日前から開花を始め、今が満開状態」。トシ子さんも「こんなユリ見たことも聞いたこともない。(SNSで見た)カリフォルニア在住の友人からは『子宝の島の子宝ユリだ』と国際電話も」。家族や知人・友人たちの反響に2度びっくりしたという。

くだんの畦畔は長さ約15㍍の範囲で野生のテッポウユリ約50株が自生し、今が盛りと可憐な純白の花のコロニーを形成。なかでも群を抜いて目立つ〝子宝ユリ〟は高さ約130㌢、扇状に癒着した茎頂部は幅約20㌢。そして、最大幅60㌢の花束状に密集して開花した約100個もの花が圧巻だ。

数日前、その重さと強風に耐えきれず茎の根本が半分折れかけたが、鉄筋とひもの支柱で危機を乗り越え、「今が満開状態」(8日現在)。畑の脇は、絶えない見物客たちの踏圧で〝遊歩道〟状態となっているが、「あと数日間が見ごろ。遠慮なく見学して欲しい」と敬次郎さん。