車いすモデルがダイビング体験

プールでダイビングを楽しむ有本さん(Co―Co Life☆女子部提供)

 

バリアフリー施設でダイビング体験した城岸さん(右)と有本さん

障がい女性向けファッション誌 瀬戸内町のバリアフリー施設取材

障がいを持つ女性のためのファッション誌「Co―CoLife(ココライフ)☆女子部」のスタッフが8日、奄美大島入りした。車いすの女性もマリンスポーツが楽しめる奄美の魅力を紹介しようと2泊3日の日程で来島。9日は、瀬戸内町清水の車いす利用者専用のマリンスポーツ施設「ゼログラヴィティ清水ヴィラ」でモデル、ライターを担当する女性2人がダイビングを体験した。

同誌は国内唯一の障がい者でつくる、障がい者のためのフリーペーパーとして年4回発行(B5判、部数1万部)。全国の行政、関連機関で配布されている。

NPO法人「施無畏=せむい=」が運営し、紙面づくりは登録した女性会員約400人が、モデル、ライターを担当する。

今回のロケは障がいのある女性がマリンスポーツを体験できる「日本最先端のバリアフリー観光スポット」紹介企画の一環。モデル役に神奈川県茅ヶ崎市在住の有本奈緒美さん(34)。モデル兼ライターは京都市在住の城岸=じょうがん=美稀さん(25)が担当。2人とも初来島で、ダイビング、各担当を務めるのも初めてという。

この日は座学後、プール講習。ウェットスーツに身を包んだ有本さんは、車いすのままスロープを移動して入水。障がい者専用インストラクターによる指導を受けながら、水中でボンベを背負い、ハンドシグナル(ゼスチャー)などやり取りを10分間以上、楽しんだ。

また左足に障がいがある城岸さんはゆっくりとした足取りで、水につかり、プール(最大水深2・5㍍)の中を移動。ダイビングの魅力に親しんだ。

同誌関係者によると、障がい者がダイビング体験できる施設は少なく、同施設の開所は会員たちの間で大きな話題だったという。

編集の和久井香菜子さんは、障がい者にとって移動は多くの困難が発生することを指摘した上で、「モデルの2人が都市圏から奄美に長距離移動し、マリンスポーツの体験記を掲載することは読者に外に出る気持ちを喚起できる」と意義を訴えた。

プール講習後、有本さんは「上半身だけでも行動できる世界に魅了された」。城岸さんは「思ったよりもスムーズに動くことができた。実際に海でダイビングを楽しみたい」とそれぞれ笑顔を見せた。