〝シマ唄の普及〟一役買う

シマ唄をいつまでも残したいとワイド節、六調などで盛り上がる参加者たち

シマ唄のほか、カバー曲やオリジナル曲などを披露する牧岡奈美さん(中央)


牧岡奈美さんのプロジェクトを応援するライブを告知する入口付近

クラウドファンディング応援ライブ
牧岡奈美さん

【東京】「シマ唄を後世に残したい!」。喜界島出身の唄者・牧岡奈美さんの、クラウドファンディングを応援するライブがこのほど、中野区で開催された。彼女の熱い思いに賛同したたくさんの人たちが集結。牧岡さんのシマ唄と奄美料理を味わいながら〝シマ唄の普及〟に一役買っていた。

牧岡さんが唄声を響かせたのは、中野区にある「スタジオ奄美ふくらしゃ」。普段は奄美料理と黒糖焼酎が味わえるほか、ラジオの収録なども行う人気スポット。奄美を感じさせる衣装で現れた牧岡さんは、「奄美群島で日常として歌われている無形文化のシマ唄を皆さんに知ってもらいたくてクラウドファンディングに挑戦しました」と説明した。

彼女が挑んでいるのは、「登竜門・後世へ残せる奄美民謡を作りたい!牧岡奈美プロジェクト」。支援金を集め、それを基にCDを制作するというもの。集まった人たちを前に、「朝花節」「喜界やよい島」などのシマ唄のほか、自身のオリジナル「南ぬ風」「謳歌」なども披露した。また、参加者とウタアシビもするなど、シマの雰囲気 に包まれていた。  

クラウドファンディングに挑むことになったのは昨年11月ごろに、元I WⅰSHのNAOさんに新曲の制作を依頼した際に薦められたことがきっかけ。「シマ唄の在り方はそれぞれですが、唄いつないでいる流れを途絶えさせたくない」との思いがあった。また、築地俊造さんら「大好きな先輩たちが亡くなったこの時期のプロジェクトに、運命的なものを感じる」(牧岡さん)そうだ。だからこそ「絶対に成立させたい」と牧岡さんは、力を込める。 

支援のプランはNAOさんとの新曲サイン入りCD1枚が追加される3000円コースや、Tシャツが付いてくる1万円コースなど、3000円から20万円まで8通り用意されている(いずれも税別)。この日は約9万円が支援金として計上された。目標額150万円に達しない場合は返金される。

今回のライブを企画したのは奄美2世の林法義さん。レインボータウンFMでラジオパーソナリティーも務める林さんは、「いっぱい写真を撮って情報を拡散し、一人でも多くの支援者につなげて」と呼び掛けていた。問い合わせ先は、03・6435・6840(FAX)。なお、牧岡さんは14日に上野・水上野外音楽堂で開催される「第5回・奄美フェスタ」に、6月18日には神奈川・茅ヶ崎の「ハスキーズギャラリー」で単独ライブを行う。