フワガネク遺跡の看板新設

出土品が国指定され新設された「小湊フワガネク遺跡」の看板

奄美市教委・小湊集落に
遺跡・出土品とも国史跡 文化財への関心期待

奄美市教育委員会(要田憲雄教育長)はこのほど、同市名瀬小湊の国指定史跡「小湊フワガネク遺跡」の看板を新設した。これは昨年同遺跡から出土した遺物が国指定になったのを受けて作製され、看板は小湊集落内の3カ所に設置されている。

同遺跡は1997年に、専門学校の拡張工事に伴い発掘調査され、2010年に国指定された遺跡。遺跡からは大量の夜光貝が出土し、貝製品の生産遺跡とされた。

同市立奄美博物館の久伸博館長は、「従来の看板は合併前の市文化財指定の時に作製されたもので、今回は昨年8月17日に出土品も国指定されたことで看板を更新した」と説明する。国指定された出土品の内訳は、夜光貝製貝さじ83点、貝製品1566点、石器200点、土器18点、ガラス小玉12点など計1898点が同館で保管されている。

遺跡の看板は、小湊小学校手前の三差路と小湊漁港公園など三カ所に場所を増やして設置。看板の大きさは縦90㌢横180㌢で、カラー図版や詳細な説明文がある。

久館長によると看板設置で、「市民の文化財に対する関心や意識の向上」を期待。県内でも遺跡と出土品が国指定された遺跡は、「小湊フワガネク遺跡」を含めて3件しかないことから、「子どもたちの夜光貝アクセサリー作り体験学習や市民に遺跡の価値を伝える講座などを今後も開催して普及啓発に努めていく」としている。