奄美群島国立公園記念式典

式典に出席した約250人は奄美群島国立公園指定を祝った

山本環境大臣「奄美の魅力保全に取組む」
世界自然遺産実現へ一歩

今年3月7日に指定された「奄美群島国立公園」の誕生を記念した式典が14日、奄美市名瀬の集宴会場で開かれた。環境省、県、奄美群島広域事務組合、各市町村の主催。山本公一環境大臣は「地域と手を携えながら、奄美の魅力である自然環境の保全に取り組みたい」と述べ、来年夏頃を目指す世界自然遺産登録の実現に意欲を示した。

奄美群島国立公園は国内34カ所目、県内4番目の指定。面積は陸域4万2181㌶、海域3万3082㌶の計7万5263㌶。

同省は国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が現存するほか、様々な生物を育む貴重な生態系、景観を残す地域環境の多様性を評価。那覇自然環境事務所は今回の指定について、奄美の魅力を生かし、地域の持続可能な発展を促す。

なお同群島の奄美大島と徳之島は、昨年4月、国立公園指定の拡張を行った「西表石垣国立公園」の西表島、沖縄島北部のやんばる地域とともに、世界自然遺産登録の候補地。今回の国立公園化は同登録の前提条件となっている。

この日は、政府や県、群島12市町村の関係者ほか、地元選出の国会議員、県議、自治体議員、地元の関係団体など約250人が出席。 

三反園訓県知事は「この好機を生かし、群島波及を視野にした観光誘致の促進に取り組みたい」とあいさつ。来賓では地元選出の金子万寿夫衆院議員、尾辻秀久参院議員、園田修光参院議員が駆けつけ、祝辞した。

このほか、志學館大学の原口泉教授による記念講演。群島各島を代表する市民団体が地域をアピールする「島の魅力自慢」もあった。

奄美群島広域事務組合の管理者・朝山毅奄美市長は「国立公園は世界自然遺産登録の実現に向けた大きな一歩」とした上で、「これからが始まりという思いで、奄美の自然と地域環境を関係機関と連携して整えていくことが大切」と語った。