沖縄経由、与論への入込増加

与論―那覇間を就航する「ボンバルディアDHCC8―Q300」(JTA提供)

航空路の運賃割引後押し
RAC路線の利用好調

日本航空(JAL)グループの琉球エアコミューター(RAC)が就航する与論―沖縄(那覇)間路線の利用が好調だ。与論町の行政、観光関係者によると近年、沖縄経由の入込みが増加傾向。同社が発表した4月輸送実績では、提供座席数に対する利用率は91・5%。RACの他路線で最も高い数値について、同社広報は昨年7月からスタートした奄美・沖縄交流促進事業による運賃割引、同島の認知度向上など挙げている。

同事業は、鹿児島県と沖縄県、関係市町村が予算確保。奄美群島発、沖縄発の航路・航空路運賃の一部助成を行い、交流人口の促進につなげる狙い。

事業対象となる沖縄と奄美大島、与論島間の航空路については、割引率が普通運賃比25%程度の特便割引1(1日前割引)、同比40%程度の先得割引A(28日前割引)を施行。RAC与論―那覇線では大人普通1万5900円に対し、特便1万1950円、9550円となる。

与論―沖縄路線の16年度輸送実績をみると、旅客数3万5064人(前年度比15・2%増)で、利用率は同社12路線中、トップの83・2%(同比8ポイント増)となり伸び率も突出した。

 利用数の好調さについて同社広報の日本トランスオーシャン航空(JTA)総務部は、都市圏からの旅客が沖縄経由での路線利用増、提供座席数の増数を挙げ、「世界自然遺産登録目前のアナウンス、テレビによる情報発信など奄美群島への注目が高まっているのでは」(広報担当者)。奄美大島路線への波及にも期待感を示している。

 □     □

与論町商工観光課によると、島内入込数は16年度約7万人(前年度約6万人)で増加傾向。人気スポットの「百合が浜」など、沖縄県など島外プロモーションの効果を挙げている。

ヨロン観光協会関係者は、沖縄の観光客が与論島を身近に感じ始めている傾向を指摘。近年は、特にSNSなどインターネット上の口コミ効果で、若い世代の初来島が目立つという。

同協会の町岡安博事務局長は「航空路線による入込数が航路(フェリー)分を昨年上回ったと感じる。運賃低減を追い風に、地元の魅力を積極的にアピールしたい」と意気込む。