奄美市と大和村で防災点検

県下一斉防災点検が実施された、上空からの映像を交え、工事の説明を受ける参加者ら

事業工事進捗を共有
大島支庁

県大島支庁は24日、2017年度県下一斉防災点検を奄美市と大和村で実施した。警察・消防など関連機関、関係自治体職員ら約50人が参加。災害発生の懸念から、避難地・避難路の保全に向けて事業工事の進む箇所を見学し、進捗状況などを共有した。

災害発生の未然防止、避難誘導体制の整備を目的に、防災施設や災害危険個所の点検などを実施しており、今回は2カ所を回った。

奄美市名瀬朝日町で、浦上川水系総合流域防災事業が進められている。全体事業費は6億円で、えん堤2基(不透過型・透過型)を整備する。保全対象は、人家7戸と避難路となる県道。2009年の豪雨では、土砂が県道まで流出した。近くの中学校と病院は、災害時は避難場所に指定。整備による避難地・避難路の保全を図る。

施工業者が飛ばしたドローンの上空からの映像も交え、工事内容が説明された。現在の進捗は約50%で、2020年度の工事完了を予定しているという。

鎮寺裕人大島支庁長は「県でハード整備を進めているが、その状況を共有することが目的だった。近年の災害はハード整備だけでは対応できない。住民のみなさんは、自治体からの情報に注意し、早めの避難を心掛けてほしい」と話した。

このほか、急傾斜地崩壊対策事業が進められている大和村大和浜の箇所も確認。がけ高160㍍、傾斜度36度の急斜面の下部には、人家(5戸)が隣接し、防災拠点となる役場、避難路の主要道名瀬・瀬戸内線が通っており、斜面崩壊の発生が懸念されていた。工事は、20年度内の完了を予定し、擁壁(190㍍)整備などを行う。