外来種対策は意識の問題

講演した野生生物保護センターの岩本さん

「あまみならでは学舎」
岩本自然保護官 保全「連携が重要」

県立奄美図書館は3日、同館研修室で「あまみならでは学舎」の2時間目「みんなの宝 奄美の自然」を実施した。一般から家族連れなど約80人が参加し、講師から奄美の自然環境や野生生物などについて学んだ。

環境省奄美野生生物保護センターの岩本千鶴自然保護官が、講師を担当。岩本さんは、ケナガネズミやリュウキュウアカショウビンなどのはく製を持参して講座の前に子どもたちに触れさせながら生き物を解説した。

講座で奄美の野生生物のスライドを用いて、クイズを出題。野生生物の体の一部を見せて、それから何の生き物かを問う内容でハブ・アマミイシカワガエルなどを紹介した。

奄美群島の地理について、奄美の各島々を「高島」と「低島」に分別。植生について、「奄美大島の常緑広葉樹林は亜熱帯照葉樹林として国内最大規模」と指摘した。

ただ、「ほとんどの森林は人の手が加わった二次林」。自然林は、「奄美大島の湯湾岳と住用川中流部、徳之島の三京など限られた地域のみ」と説明した。

貴重な自然が残っている理由を、▽森林の回復力が強い▽島の人々は昔から上手に自然を利用してきた―と考察。自然環境の保全に対して、「行政・民間・地域住民などの連携が重要」と訴えた。

後半には外来種の問題にも触れて、マングースやノネコ(イエネコ)を例示。対策は人の意識の問題で、予防3原則「入れない、捨てない、広げない」を守ることが大事とした。

環境省の事業説明後に、奄美群島国立公園と世界自然遺産登録に向けた動きを報告。岩本さんから国立公園は、「ルールとして、段階的に規制がかけられている」。世界自然遺産登録に向けて、「ルールや組織づくり、やるべきことの役割分担をしているところ」と示された。

質問コーナーでは、一般の質問や子どもからの質問も。松枯れやアフリカマイマイに関した質問などがあった。