西郷ゆかりの地めぐり

西郷隆盛が体を鍛えたという「力石」に挑戦する参加者(左)=11日、天城町岡前(西郷謫居地跡)

足跡訪ね歴史ロマン浸る
天城町ユイの館主催 体鍛えた「力石」挑戦も

【徳之島】天城町歴史文化産業科学資料センター「ユイの館」(松村義則館長)の今年度行事計画の一つ、「西郷ゆかりの地めぐり」がこのほどあった。松村館長と町田進氏(徳之島町文化財保護審議会会長)が案内講師を担当。遠島処分の西郷隆盛が1862(文久2) 年7月初旬から約72日間を過ごしたとされる同島での足跡を訪ね、歴史ロマンに浸った。

ユイの館が住民を対象に月1、2回ペースで主催している各種文化イベント(講演会・展示会・自然観察・座談会・工芸教室など)の一環。来年の明治維新150周年やNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」放送などに向けて明治維新の立役者・西郷と、それを取り巻く群像に関心が高まる中、徳之島のゆかりの地めぐりを初企画。町内外から10人が参加した。

松村館長の解説でまず、西郷南洲翁遺品の書幅(同館展示中)なども見学した。このあと西郷上陸記念碑のある同町浅間の「湾屋公園」と謫居(たっきょ)跡「西郷公園」(同町岡前)などを探訪。同地では、西郷が毎晩頭上に持ち上げて体を鍛えたと伝えられる「力石」3個のうち、最小の石(約60㌔~70㌔)に挑戦する参加者も。西郷が通った小道や西郷の世話をした島役人・琉仲為の墓地なども探訪。この後、町田氏の案内・解説で、西郷が沖永良部島再遠島のため滞留した当時の港町徳之島町井之川の「西郷腰かけ松」(奥山家敷地)も訪ねた。

参加の一人、天城町職員で奄美群島特例通訳案内士でもある福原春樹さん(34)=天城=は「大型クルーズ船の乗客から『西郷隆盛ゆかりの地』のことを聞かれ、場所も知らず回答ができなかった。職員そして特例通訳案内士(英語)として、まずは自分たちの足元の歴史・文化を学ぶことが大切と思った」と話していた。