関係者らが集まり、台風や津波への対策を学んだ
避難に要する時間事前確認を
「9~10月強い台風に注意」
名瀬港台風・津波等対策委員会(委員長・安尾博志奄美海上保安部長)が16日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。台風シーズンを前に高潮や津波災害に対する対応確認事項などの申し合わせや、基本的な情報の再確認などを行った。
同保安部と県、港湾関係者など約20人が参加。安尾会長は「津波の対策は事前準備が難しいが、それぞれのすべきことを把握できるようにしてほしい」などとあいさつした。
奄美海保は津波警報などが発令された際の対処法を説明。中・大型船舶は避難海域(水深200㍍以深)への避難。津波発生までの時間が短い場合は、砕波が起こらない海域(水深30㍍以深)への避難を行う。事前に避難に要する時間を状況ごとに確認しておくよう関係者らに伝えた。また、小型船の場合は、人命を最優先とし、直近の岸壁に係留し、高台に避難すべきだとした。
名瀬測候所の春日忍予報官による台風についての講話もあった。2016年には25個の台風が発生し、うち4個が奄美地方に接近。発生開始時期が遅かったのが特徴。今年も発生時期が例年に比べ遅いので、9~10月ごろに強い台風に注意する必要があるという。
地震と津波については同測候所の山口文彬技術専門官からの講話があり、地震・津波の発生メカニズムを説明。奄美地方では海溝型地震の危険性があること、奄美地方で津波が発生すれば、高いところでは8㍍以上になる可能性が高いことを話した。
同海上保安部では、21~30日の10日間、関係機関と協力し、台風海難防止強調運動を実施する。