徳之島で「奄美パパイア」産地交流会

㈱ダイエーの近澤社長らを迎えて開かれた「奄美パパイア」産地交流会=17日、徳之島町

㈱ダイエー、方針示す
近畿・関東両地区で販売拡大へ

【徳之島】㈱ダイエー(本社・東京都)の商品開発提示で、JA県経済連や県大島支庁徳之島事務所の産地化の計画策定から4年目となる「奄美パパイア」の産地交流会(奄美パパイア産地育成推進協議会主催)が17日、徳之島町生涯学習センターであった。流通・加工・販売サイドの期待に、地元側は若手生産者の思いも伝え「生産履歴の記帳、計画的出荷」によるブランド産地化も決意。2017年度出荷計画350㌧(前年度同)を確認した。

㈱ダイエーの「野菜型パパイア」商品開発の提示(2013年12月)を受けて、14年のJA県経済連と県徳之島事務所の産地化計画策定。㈱ダイエーと鹿児島くみあい食品㈱の商品開発プラン着手。奄美パパイア植樹祭(徳之島町)など産地化を推進。JA共販量は、14年度の2㌧からは15年度66㌧、16年度は台風など気象災害もなく計画を大幅に上回る約350㌧(約4813万円)に膨らんだ。17年度計画(徳之島3町生産出荷農家30戸、約30㌶)は、前年度共販実績と同じ350㌧を掲げた。

交流会には、奄美パパイア産地育成推進協議会(熊元与八郎会長)の代表らも交え約50人が出席。JAあまみの上岡重満組合長は、ダイエーや県経済連など関係機関一体の産地化取り組みに感謝し、「今後は奄美群島全体にも生産拡大、全国に奄美パパイアが並ぶことを目指したい」。JA県経済連の鬼丸幸司常務理事は「生産履歴と出荷計画の確立」も要望。大久保明伊仙町長らも「長寿の食材」の主要品目化に期待した。

今年も参加したダイエーの近澤靖英代表取締役社長は、前年度の近畿地区店での販売中心から、今年度は関東地区の「野菜売り場でも奄美パパイアの存在感を拡大した」。ほかパッションフルーツやマンゴー、ドラゴンフルーツなど品目も併せて販売する方針も示した。

若手生産者を代表して天城町の貞山博一さん(35)は、国立公園指定に続く世界自然遺産登録に向けて注目を集める中での産地化取り組みの思いを述べ、「われわれ生産者は今後も安心安全な果樹の安定生産に努めます」と決意も紹介。この後、経済連の野菜ソムリエなど「チーム華連」によるダイエー試食宣伝報告、パパイア料理の試食会などでも交流した。