奄美市学力向上フォーラム

2017年度奄美市学力向上フォーラムが開かれ、パネルディスカッション(上)のほか、元全日本女子バレーボール監督の柳本さんが講演した
柳本さん講演

 

女子バレー元全日本監督・柳本さん講演 「伸びた瞬間褒めて」
家庭学習の充実テーマに

2017年度奄美市学力向上フォーラムが18日、奄美市の奄美文化センターであった。大きく2部に分かれ、パネルディスカッションでは、児童生徒、教職員、PTA関係者など5人が登壇し、家庭学習をテーマに学力向上に向けた、それぞれの取り組みや課題などについて意見発表した。また、全日本女子バレーボール元監督の柳本晶一さんを迎えた講演もあり、選手育成の経験などから、「10人いたら伸びるスピードは違う。伸びた瞬間を見逃さず褒めてほしい」などの提言があった。

パネルディスカッションは「家庭学習を充実させるための取り組み」をテーマに展開。「家庭学習は、授業でまず『分かった』ことを、自力で『できる』につなげるために積み重ねていく重要なもの」(教職員)などの意見が上がったほか、「きちんとした生活(決まりや約束を守るなど)を送ることが土台になり、意欲向上につながる。地域の役割(必要な時に注意するなど)も欠かせない」などの声もあった。

講演を行った柳本さんは、2003年に全日本女子の監督に就任。チーム再建に向け▽目標を明確にする▽キャスティング(配役を踏まえた選手選考)に重点を置いたという。柳本さんの指揮のもと、女子日本代表は、04年のアテネ五輪で5位入賞。続く、08年の北京五輪にも出場し、ここでも5位入賞を果たした。

自身の現役時代のエピソードを紹介。全日本代表に選ばれるも、「世界一のセッター」と称された猫田勝敏さんの控えに回る悔しい日々が続いていたが、ある時、猫田さんの言葉をきっかけに、練習に対する取り組み方が変わり、短い期間で技術を大きく伸ばしたという。柳本さんは「(何度もリーグ優勝しているという)プライドがじゃましていたが、一旦それをリセットしたことで周りの見え方が変わった」と振り返った。

現在は、芦屋大学の特任教授のほか、大阪市教育委員会事務局顧問の立場から、公立高の学校改革にも携わっている。柳本さんは、教師側の姿勢について、日々向上心を持つことの大切さを強調。また、①踏み切る②割り切る③思い切る―三つの『切る』の重要性を挙げ、自身の30年間の監督生活なども踏まえ、「何回もどん底を経験したが、負け、負け、負けという人生はない。負けはチェンジする時。そこで踏み切るかどうか。様々な壁ができるが、諦めなければ、それがドアに変わる」などと助言を送った。