リリーの家」宿泊施設に

宿泊施設として生まれ変わった「リリーの家」

奄美設計集団 改築、30日オープン
地域住民にも開放
加計呂麻島

㈱奄美設計集団(山下保博社長)は映画「男はつらいよ・寅次郎紅の花」に登場する瀬戸内町加計呂麻島諸鈍の「リリーの家」を30日、宿泊施設としてオープンさせる。宿泊客がいない日には地域の住民に開放する予定となっている。

同社は2015年、山下社長と㈱松山建築設計室の松山将勝代表が共同で設立した。奄美出身の若手設計士の技術共有を目的としている。現在は4人の設計士が在籍。

同社が奄美群島内にある築50年以上の空き家を持ち主から借り、リノベーションを行う「伝泊奄美」のプロジェクトは16年8月に始動。19年度末までには群島全体で、15棟ほどの空き家などを宿泊施設としてオープンする予定だという。

山下社長は「空き家は地域住民からも『みすてられたもの』。伝統的な建築を次の時代に繋げていきたい」と話す。リリーの家の改築も「伝泊奄美」の一環。同家は、所有者の死去と、その親族が島を離れたことが原因で放置されていたという。

山下社長は、同町が所有していた同家を今年4月に借り上げた。同月、地域住民からの快諾を得て宿泊施設へのリノベーションを決定。約1カ月かけて改築を行った。著作権所有者に実際に会い、リリーの家の名称使用の許可も得たという。

リリーの家は同島須子茂の「海と星みる宿」とともに30日に宿泊施設としてオープン。宿泊料金は、リリーの家が2人以上1泊9800円(1人のみでの利用の場合1泊1万4800円)。海と星を見る宿は2人以上1泊8400円(1人のみでの利用の場合1泊1万2600円)。