世界的自然写真コンで入賞

会見で受賞報告を行った浜田太さん

浜田太さん動画部門に応募
クロウサギの子育て世界に紹介

 長年にわたりアマミノクロウサギの生態を研究してきた写真家の浜田太さんが4日、県大島支庁会議室で会見し、世界最大級の自然写真コンテスト「ネイチャーズベストフォトグラフィーアジア2017」の動画部門に応募した作品が入賞したと発表した。浜田さんは思わぬ受賞を喜び、「この受賞で、世界自然遺産登録に向けてバックアップできれば」と抱負を述べた。

 同コンテストは、中近東から極東日本までの50カ国の自然を撮影した作品を動物、風景、野鳥、小動物、水中、動画の6部門に分けた世界的な自然写真コンテストで、自然写真界のアカデミー賞と形容する向きも。今回は応募総数8500点から審査の結果、動画部門で浜田さんの作品「Child rearing of Amami rabbits」(アマミノクロウサギの子育て)は入賞を果たした。

 受賞作品は、浜田さんが完全撮影に成功したクロウサギの子育ての映像(約4分)。カメラ3台を奄美大島中南部の山中に設置し、100㍍離れた場所のテントから遠隔操作で撮影。15年9月の子育て前から12月の巣立ちまでの記録の中から、編集して同コンテストに応募していた。

 作品について「奄美からの受賞は奇跡ではないか」、「アマミノクロウサギを世界に知ってもらえるチャンス」と思い応募。映像の中の深夜土砂降りで泥まみれになりながらの授乳シーンが感動的で、「見た人に感動を与え、審査員に評価されたのでは」と浜田さん。

 コンテストの国内授賞式が8月3日に東京芸術劇場で、国際授賞式が11月16日に米国のスミソニアン国立自然史博物館で予定。また受賞作品については、ネイチャーズベストフォトグラフィーアジアのホームページ上で公開されている(https://goo.gl/6S3wpZ)。

 受賞作品は、国内やアジアでの受賞写真展でも展示。浜田さんは受賞について、「コツコツ取り組んだ先に世界の桧舞台があると思わなかった。アマミノクロウサギの生き様、奄美の森の真実を世界に知ってもらう窓口になれたのではないか」と語った。