ペットの命の大切さ考えて

災害で命を失ったペットの絵を描き続けてきた絵本作家うささん

奄美図書館で「災害で消えた小さな命展4」
35人の作家の絵展示

 東日本大震災や熊本地震で命を落としたペットの姿を描いた巡回展「災害で消えた小さな命展4」が11日から、奄美市名瀬の県立奄美図書館で開かれている。35人の作家の絵が展示されており、ペットとの関わり方や、命の大切さを感じることができる。

 巡回展は愛知県出身の絵本作家うささん(49)が2012年から開始。これまで海外も含む100カ所以上で展示を行ってきた。うささんと、活動に賛同した絵本作家、イラストレーター、画家などが協力し、災害で命を落としたペットの姿を描いてきた。過去の巡回展も含めると約280点の絵を展示し、終了後には飼い主に作品を寄贈しているという。

 離島での開催は今回が初。「自然災害が多い奄美の人たちにも考えるきっかけになってほしい」という思いが今回の開催につながった。

 うささんは、東日本大震災後の11年10月に被災地を訪れた。ペットを連れて避難所に入ることができないせいで、動物たちの命が失われた話を聞き、疑問を覚えたという。「飼い主にとってペットは大切な家族。動物だからという理由で、命の取捨選択が行われるのはおかしい」とうささんは語る。

 16年の熊本地震の際はペット捜索・救助を行う「チームうーにゃん」を結成。被災者からの依頼を受け、大切な家族ともいえる動物を探す活動を行った。

 会場には優しいタッチで描かれたペットたちの絵35点のほか、飼い主からの絵を依頼する手紙も展示されている。うささんは「ペットは家族や子どものような存在。一人でも多くの人に命について考えてほしい」と来場を呼び掛けた。

 16日午後1時半からはうささんによる講演会も行われる。巡回展の開催は23日まで(18日のみ休館)。いずれも入場無料。