和泊町で誘殺状況説明会

誘殺確認を受けて開催されたミカンコミバエ種群説明会=和泊町=

防除体制の継続・強化を
地元農家求める

 【沖永良部】ミカンコミバエの誘殺が確認された和泊町で10日、ミカンコミバエ種群の誘殺状況説明会が同町防災拠点施設やすらぎ館であった。関係機関が防除体制について説明し、参加者からは「島内で連続して見つかっているが、全島一斉防除の必要はないのか」「現在の防除体制を継続できるのか」などの意見が出た。

 先月21、22、27日に、知名町の3集落でミカンコミバエの雄を1匹ずつ確認。同町では5日、瀬名集落で雄2匹の誘殺が確認された。

 説明会には果樹生産者組合、区長会、町議など約50人が参加。同町役場経済課の武吉治課長は「農家が安心して作物を出荷するためにも関係機関が一体となって防除に取り組んでいきたい」とあいさつした。

 門司植物防疫所名瀬支所の河津裕一次席植物検疫官が、町内での誘殺状況と対応状況を説明し「現在のところ、移動規制がされているわけではない」と述べた。

 県大島支庁農政普及課特殊病害虫係の原洋一係長は「ミカンコミバエ種群は、バンシロウ(グアバ)によく寄生する。8月以降、熟期となるので使用しないものは伐採剪定をしてほしい」と呼び掛けた。

 質疑の中で、全島防除の必要性について河津次席植物検疫官は「誘殺が確認されたが、寄主果実調査で寄生は確認されておらず、発生している段階ではない」。テックス板の備蓄については「今回、防除のため集中的に投入したが、新たに発注をかけてすでに納品されている」。島内全域にテックス板を設置することについては「広範囲にまくと、誘引剤の効果でおびき寄せることになる」と述べた。

 同日、関係機関で寄主果実調査を行い誘殺確認地点周辺(半径2㌔以内)の寄主植物を採取した。5日間保管したのち幼虫の有無を確認する。次回の調査は、19日に採取、25日切開調査が行われる。