商品開発、障がい者雇用など業務協力

業務協力を締結した中村社長(写真左から2人目)と向井理事長(同3人目)、鎮寺大島支庁長も式に出席

20170712 町田酒造と三環舎 酒ゼリー2種類
開発した「奄美すもも酒ゼリー」「奄美たんかん酒ゼリー」

第一弾に焼酎ゼリー販売
町田酒造と三環舎

 在宅障がい者の社会参加、自立を支援しようと龍郷町の町田酒造㈱(中村安久代表取締役社長)と社会福祉法人・三環舎(向井扶美理事長)は12日、連携協力に関する協定を締結した。今後、商品開発や障がい者雇用に向け、設備やサービスの相互活用をすることで一致。同日は、奄美市名瀬西仲勝の障がい福祉サービス事業所「あしたば園」で締結式を開き、共同開発の第一弾として「奄美すもも酒ゼリー」(税別200円)「奄美たんかん酒ゼリー」(同)の完成披露を行った。

 協定は障がい者が社会参画できる「共生・協働社会」の実現を目指すもの。新商品・新サービスの共同研究開発だけでなく、「商品・サービスの販売支援」「保有設備」「業務委託」―に関し相互的な活用・協力を掲げた。

 すでに今年4月から、町田酒造側は同法人が運営する障害福祉サービス事業「あしたば園」に本社工場の敷地整備を委託。施設通所者5~7人が作業を行っており、「協力体制はスタートし、期待以上の業務成果を挙げている」(町田酒造関係者)という。

 今回発売するお酒のゼリーは、黒糖焼酎「里の曙」に奄美産のスモモ、タンカンを仕込んで製造されたリキュールを使用。今年4月、同酒造側から商品化の打診を受け、開発が始まった。

 製品アルコール分2・5~2・7%。コンセプトは「夜のご褒美デザート」。パッケージは女性を意識したデザインで幅広い年齢層に親しまれるよう仕上げた。当面はパン工房&カフェ&島料理の店「夢来夢来」、同酒造本社直販所「さとあけショップ」で販売する。

 締結式には鎮寺裕人県大島支庁長、奥田敏文・市福祉事務所長も出席。会見で中村社長は「地元で働きたいという希望に少しでも実現できる道筋をつけてあげたい」と述べ、障がい者支援について「多くの島内企業に趣旨の理解を広めたい」と語った。

 向井理事長は地元企業とのコラボレーション企画について「社会福祉の観点からも画期的な取り組み」と評価し、「小さな試みだが利用者の自立に向け、一つ一つ積み上げていけたらいい」と開発の成功を喜んだ。

 両団体は今後、バレンタイン関連商品の開発も計画している。