畑かん効果の普及を

建設業界や行政など関係者約180人が参加した徳之島地区の農業農村整備事業技術研修会=13日、徳之島町

優良工事事例の発表も
徳之島ブロック農業農村整備事業技術研修会

 【徳之島】徳之島地区の2017年度農業農村整備事業技術研修会(県農村振興技術連盟徳之島ブロック、県徳之島事務所農村整備課主催)が13日、徳之島町生涯学習センターであった。3町の建設業や行政関係者ら約180人が参加。事業全般の概要説明や畑地かんがい効果に関する特別講演、優良工事の事例発表、工事施工の留意点など研修を通じ相互研さんを深めた。

 徳之島建設業協会の酒匂源寶会長は、業界の若い人材確保や景況感の地域間格差など全国的課題と併せ、身近な課題として①3町長を中心とした航空自衛隊関連の誘致②来年夏を目指す世界自然遺産登録の実現に期待。「わたしたち建設業協会も、動植物の生態系保護を念頭に置き、高い技術をもって貢献したい」とも強調した。

 県徳之島事務所の内智昭農村整備課長が農業農村整備事業に関する全般を説明。1997(平成9)年度に事業着手した国営かんがい排水事業(徳之島ダム)については、小水力発電システム(設置工事中)の試運転(8月)を経て10月に「完工式」を計画。九州農政局徳之島用水農業水利事業所(天城町)も来年3月末を持って閉鎖される見通しも説明。散水可能となった県営畑かん設備設置工事の実施済み面積は全受益面積(3451㌶)の約1割の340㌶。畑かん効果のアピールによる事業推進協力と併せた「安全第一」の施工も求めた。

 続いて、県農業開発総合センター徳之島支場作物研究室の佐藤光徳室長が「多収であった2016年の徳之島における夏季の降水とサトウキビ茎長およびかん水効果~梅雨明け後の早期かん水による茎伸長の効果的な維持~」を演題に特別講演した。優良工事の事例では久保建設工業㈱(伊仙町)と㈱福永建設(徳之島町)、優秀技術者では重田建設㈱(天城町)が発表。県徳之島事務所農村整備課が工事施工の留意点などを解説した。