「アメリカザリガニ」侵入・繁殖

アメリカザリガニの捕獲・駆除を行う徳之島自然保護協議会会員や関係者=14日、天城町三京

ザリガニ捕獲駆除 (2)
わずか2時間で計44匹のアメリカザリガニを捕獲

2時間で44匹も捕獲
徳之島自然保護協、天城町三京で

 【徳之島】徳之島自然保護協議会(松村博光会長)は14日、天城町の「徳之島ダム」上支流の「三京川」で、日本の侵略的外来種ワースト100 に指定されている「アメリカザリガニ」の侵入が確認されたのを受けて緊急の駆除・捕獲作業を実施。三京川に注ぐコンクリート側溝の長さ約15㍍間で、計44匹もの同ザリガニを捕獲。自然界への逸脱・繁殖が明らかになった。

 今月8日、天城町教委の主催で近くの小・中学生を対象に三京川であった「生き物観察会」の際、事前に仕掛けた定置網で1匹が捕獲されていた。徳之島初の確認・報告となり、ガイド役を兼ねて同行した自然保護協議会会員ら関係者に衝撃を与えた。

 現地調査と捕獲・駆除作業は午前9時半ごろから約2時間、西阿木名小学校三京分校敷地のコンクリ―ト側溝を対象に実施。長さわずか約15㍍間の底泥をさらう方法で探索。その結果、大小合わせ計44匹ものアメリカザリガニが捕獲された。近隣から逸脱・繁殖し、その一部が徳之島ダム上流の「三京川」に及んだ可能性が濃厚となった。
 作業に加わった徳之島自然保護協の松村会長は、「島内全域の河川でも緊急調査が必要と思う。侵入が確認された河川では、関係機関・団体や地域住民を挙げた捕獲・駆除取り組みが必要。一般住民のみなさんも関心を持ち、各町役場などへ情報提供もお願いしたい」と強調した。

 【アメリカザリガニ】( アメリカザリガニ科)体長最大約15㌢。若齢個体は淡褐色から黄褐色、成熟すると赤色や赤褐色に。食用ウシガエル養殖用の餌などとして1927年ごろ侵入。影響として水草、淡水底生生物に対する捕食・競合、ザリガニカビ病(ザリガニ類特有の病気)の媒介。在来淡水生物の小型魚類などが深刻な影響を受けるという。