軟式野球競技で審判を務めた知名町出身の南山浩人さん=16日、知名町総合グラウンド=
【沖永良部】「鴨池球場のような大きな舞台でジャッジしたい」――。1年前、そう夢を語って沖永良部高校を卒業した元高校球児の南山浩人さん(19)が、故郷の知名町で開催された大島地区大会軟式野球競技で審判を務めた。南山さんは「審判としてレベルアップし、鴨池球場の決勝の舞台に立ちたい」と夢を膨らませた。
15、16日の両日で3試合を担当。準決勝の龍郷町対伊仙町戦では一塁の塁審に立った。
心掛けているのは「集中を切らさず一球一球ボールを見て、大きな声で観客にもわかるようにジャッジすること」。
内野ゴロのボールが一塁手のグラブに入った瞬間と打者がベースを走り抜けるタイミングを見定め、グラウンド中に響く声で「アウト」をコールした。
南山さんは、高校卒業と同時期に鹿児島県野球審判協会沖永良部支部のメンバーに入り、福岡県で学業に励みながら審判講習会を受けてきた。今年の春に初舞台を踏むと、夏の甲子園県予選では鴨池球場での審判を任された。
龍郷対伊仙戦の球審を担当した先輩審判員の林伸仁さん(37)は「以前は落ち着きがなく、不安な気持ちも見えた。公式戦デビューを果たしたことで自信を持ってジャッジしている」と成長ぶりを高く評価した。
伊仙町のサヨナラ勝ちで幕を閉じた試合の直後、審判員同士が集まり反省会が始まった。南山さんは「打球を見る角度と手を上げる角度は良くなっているが、ベース上でプレーが起きている時はもう少し離れた方が良い」「コールする時にロボットのようになっている。一連の流れでやるように」などのアドバイスを受けたという。
「(県内で)審判として公式戦に立っている19歳はいない。期待している」と林さん。今大会を振り返った南山さんは「いつも以上にできた。少しずつレベルアップしているかな。地元の審判員や鹿児島から招かれた審判員とも試合に出ることができたので、いい勉強になった」と話した。