日本と台湾の絆を一層深めるように、歌を披露する中孝介さん
〝地上で最も優しい声〟を熱心に聴き入る観客たち
多くの人が訪れていたアジア最強の縁結びの神様がまつられたブース
【東京】臺灣新聞社(錢妙玲社主)及び台日文化交流基金(錢妙玲代表理事)主催、上野観光連盟(二木忠男会長)共催の「日本台湾祭り2017」が多くの物産、飲食ブースが立ち並ぶ上野恩賜公園・噴水前(竹の台広場)で7日から9日まで開催された。台湾でも絶大な人気を誇る奄美在住の歌手・中孝介さんが8日、特別ライブを披露。たくさんの拍手と大歓声を浴びていた。
上野の杜に〝地上で最も優しい歌声〟がこだました。中さんが司会者に紹介されると、特設ステージの前には少しでも近くで見届けようと多くの人の波が押し寄せた。
流ちょうな中国語であいさつをした中さんは、「サンサーラ」でライブをスタート。「日本と台湾の交流の場に立ててとてもうれしく、架け橋になれたことに縁を感じる」と満席の観客に語り掛けた。
また、台湾で歴代ナンバー1の興行成績である映画「海角七号」に本人役で出演したエピソードも明かし、「それぞれに」などを熱唱。最後は、「花」を歌い上げた。故郷を思うようにまぶたを閉じる人や、中さんの姿を収めようとスマートフォンを向ける人。奄美が生んだ美声が観客を魅了した。
同祭の前身は、11年9月に渋谷区で開催された「台湾祭り」。中華民国建国100年の記念と、同年3月に発生した東日本大震災復興支援募金が大きな目的。その後、舞台を上野に移して、名称も新たにして3回目となった。
台湾の雑貨やグルメを求めて3日間で約30万人もの人たちが訪れた。臺灣新聞社は、台湾に関する情報を日本語と中国語で発信する「台湾新聞」を通じて、20年以上にわたって日本と台湾の「絆」をつないでいる。同社の企画部理事・渡辺尊俊さんは、「中さんを台湾で知らない人はいないほどですから、彼の他はいなかった。きょうのライブは本当に良かった」と語った。
また、企画報道部リーダー・髙橋友梨香さんも「七夕のこの時期に、中さんが台湾と日本の架け橋になってくれましたね」と目を輝かせていた。一方、真夏日の下で熱いステージを終えた中さんは、「台湾の人たちが多くて驚きました。少しでも日本と台湾の架け橋になれればと、気持ちを込めました。故郷で歌っているようでした」と笑顔で振り返った。
響き渡る声で、台湾と日本の絆を再確認させた中さんは、19日に大宮ソニックシティ・大ホールを皮切りに、元ちとせさんと「うたの贈り物」と題したスペシャルイベントコンサートを敢行。20日は千葉・市川で、8月2日からは九州各地を元さんと一緒に回る。また、12月10日には、東京国際フォーラム(ホールC)の大舞台に立つ。