ヒアリの特徴や見分け方などを説明した牧野さん
龍郷町の龍南中学校(福永浩一校長、生徒125人)は19日、1学期に行った外来植物調査の中間まとめと外来昆虫ヒアリに関する講座を行った。同校1年生約45人が参加し、講師の奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー牧野孝俊さんや龍郷在住の宇都宮英之さんから特定外来生物ヒアリの特徴や在来種との見分け方などを学んだ。
同校は来年の世界自然遺産登録に向けて、これまで校区内の外来植物の調査や駆除を実施。1学期に行ったアメリカハマグルマやモミジバヒルガオなどの生息状況調査を振り返り、グループに分かれてどこに生えていたか校区内の地図で確認された所をチェックする作業を行った。
また牧野さんが「もし、ヒアリらしきアリがいたら?奄美アリとヒアリについて」のテーマで講話。講師はスライド資料で、ヒアリとよく似た日本のアリ3種を紹介した。
牧野さんはヒアリを、「南米原産の外来種で、特定外来生物に指定されている」と解説。毒針がありもし刺されると、火傷のような激しい痛みがあるとした。
外来種ヒアリが日本で発見されたことを、北米や中国、台湾などで定着し、それらの国が日本との貨物取引量が多いことによると推測。「今年になり、本州各地の港湾などで発見されているが現在のところ沖縄・鹿児島両県では確認されていない」と報告した。
「ヒアリと日本のよく似たアリの見分けは、専門家でも難しい」と牧野さん。生徒たちは、宇都宮さんが用意した在来種オオシワアリの個体を、ルーペで観察しヒアリと違う特徴の小さなトゲを確認した。
オオシワアリは、体長や色などがヒアリと類似する。牧野さんは「肉眼での判別は、ほぼ無理だろう。近くにアリ塚が形成されているかどうかでしか分からない」と示唆。「ヒアリらしいアリをもし見かけたら、手で触れないで役場や環境省奄美野生生物保護センターなどに連絡して」と生徒たちに呼び掛けた。
講話を行った牧野さんは、「万一の場合を想定し注意喚起を促す意味で講話した」と語った。講話を聴いた平遥斗=はると=君は、きょう学んだことを生かして「もしいたら、環境省などに連絡する」と話した。