東京で黒糖焼酎の杜氏囲む会

和んだ雰囲気の中で、奄美へのイメージなどを語る参加者たち

黒糖焼酎堪能
黒糖焼酎を堪能する参加者たち。座っている左から、杜氏の石原茂廣さん、石原純子さん、息子の石原裕樹さん。手のひらは、沖永良部島を表す形だとか

初めて口にする風味に沖永良部島を思い浮かべる

【東京】沖永良部島を黒糖焼酎で知って――。中野区の「スタジオ奄美ふくらしゃ」でこのほど、沖永良部島の黒糖焼酎の杜氏=とうじ=を囲む会があった。集まった人たちは初めて口にする風味に沖永良部島を思い浮かべ、酔いしれていた。会場となったのは、奄美の情報を発信するスポットとして島の野菜や料理、酒などを提供する「スタジオ奄美ふくらしゃ」。

企画した奄美2世のイベントプロデューサー・友野秀樹さんによると「島を訪れたことのない人を呼んで会をすることで、より深く島との絆が生まれるはず」との狙いで、声を掛けたのはほとんどが”奄美初体験者”。黒糖焼酎も「カロリーが高いのでは、とのイメージを持っていた」と告白する人も。

そういう人たちに「糖質はゼロ」などと説明していたのは、この日のためにやって来た(有)竿田酒造の代表取締役・石原純子さん。純子さんは、父親から1986(昭和61)年に受け継いだ2代目。93年からは、役場を定年退職した夫の茂廣さんと文字通り二人三脚で酒蔵を支えている。

杜氏でもある、茂廣さんは、「彼女は米麹、僕は蒸溜を担当。30㌔の米を持って作業するのが、一番大変ですかね。沖永良部の味を都会で広める機会を持てて、本当にありがたい」と満面の笑顔。手塩にかけて造った「えらぶ(30度)」と「白ゆり(古酒40度)」を、自ら参加者のグラスに注いで「どうしたら一番うまく飲めるのか」などの質問に応じていた。

さわやかな飲み口の「えらぶ」と芳醇な「白ゆり」は、竿田酒造のほか、(株)徳田酒造、(有)沖酒造、(有)神崎産業の四つの蔵本からなる「沖永良部酒造株式会社」が製造している。