台風5号 サトウキビ被害

奄美大島北部のサトウキビ畑(7日午前撮影)

生育影響懸念する声も
富国製糖 減収率約7%を試算

奄美地方を強風域に巻き込みながら通過した台風5号の影響で、奄美の農作物に一部被害が出た。北部の奄美大島、喜界島では「50年に1度」の大雨が降ったほか、台風のノロノロした進行速度で長時間、暴風・強風域にさらされ、基幹作物のサトウキビへも影響を与えた。地域によっては、全倒伏や葉の裂傷が多く確認され、関係者から今後の生育を懸念する声も挙がった。

奄美市笠利町の富国製糖では職員、行政、JAの三者がほ場を視察。減収率は約7%(約1800㌧)と試算した。全体的に塩害の心配はないが、地域によって状況に差が見られたという。同社の勢幸一所長は「屋仁、手花部では全倒伏が多く見られた。大量の降雨で、地盤が弱くなり、長時間、暴風、強風にさらされ、そのようになったと考えられる。折損はないが、葉の裂傷も確認されており、今後の生育に大きな影響が出てくるだろう」と話した。

喜界島の生和糖業では、減収率を約1・72%と試算。ほ場によっては、冠水したところも散見されたが、折損はなく、全倒伏で290㌶とした。担当者は「500㍉を超える雨量もあり、塩害はないとみている。干ばつが続いていたので、雨が降ったことに関しては良かった」と話した。