奄美祭り舟こぎ競争

白熱したレースで盛り上がった奄美まつり「舟こぎ競争大会」

国直青壮年団、28年ぶりの優勝 熱戦に会場沸く

第54回奄美まつり舟こぎ競争大会が11日、奄美市名瀬佐大熊地区で開かれた。この日は決勝開始前ごろから小雨が降ってきたものの、無事中断もなく終了。選手たちは水面にヤホ(櫂)を打ち付け、白熱したレースを会場の観客に見せた。一般の部では「国直青壮年団」が28年ぶりの優勝。女子・子どもの部では「結miracle」が二連覇を飾った。

今大会は5日に予定されていたものが台風5号の接近により、6日間延期し、開催されたもの。エントリーは188チームだったが、この日程変更により、約40チームが棄権し、予選では2チームしか出場しなかった組もあった。この影響でほとんど無条件での予選突破も発生する中、シードチームを筆頭に好タイムを出すチームも現れ、引き締まったレース展開を見せた。

コースは往復340㍍。それぞれのチームが揃いのユニフォームで気持ちを高め、掛け声を合わせてゴールを目指した。臨海道路沿いには各チーム、集落が用意したテントが並び、応援にも熱が入った。

大会結果(タイムは決勝)は次の通り。

【一般の部】①国直青壮年団2分3秒48②実組2分8秒44③根瀬部町内会2分8秒86④手広スパンクス2分10秒60⑤安木屋場2分14秒34

【女子・子どもの部】①結miracle2分23秒42②奄美舟こぎ協会☆乙女2分28秒43③一心同体笑女隊2分33秒25④名瀬徳洲会病院素虎行く2分35秒78⑤むかいクリニック・ゆとりあん2分39秒32

連覇への意欲も 舟こぎ競争

0811舟こぎサイド①
一般の部優勝の国直青壮年団

0811舟こぎサイド②
女子・子どもの部優勝の結miracle

149チームが出走し、激戦を繰り広げた今年の舟こぎ競争。一般の部は国直青壮年団が28年ぶりの、女子・子どもの部では結miracleが2年連続の優勝を飾った。

国直青壮年団のメンバーは高校生が4人で20代、30代、40代がそれぞれ1人ずつ。準々決勝までは好タイムで駒を進めてきたが、準決勝では安木屋場に惜しくも敗れ、タイム上がりで決勝進出。決勝では混戦を制し、優勝を手にした。チームを率いた森信之助さん(24)は「舟こぎを若い力で盛り上げていきたい。目標はもちろん連覇」と早速来年へ向けての意欲を語った。

女子・子どもの部優勝の結miracleは過去3回の出場のうち2回の優勝経験を持つ。チームメンバーが揃わないときは、集落の男性と一緒に練習をするのが強さの秘訣。

結成の2014年からチームを支える入来有咲さん(17)と中里奈さん(17)は大島高校に通う3年生。二人は「連覇は絶対の目標だった。週6日、みっちりと練習をしたことが優勝につながった。来年は進学で島を離れると思うが、夏休みに帰ってきて出場できれば」と話した。